能登半島地震では現地に派遣される医療チームが大幅に増えていた
能登半島地震の発生から3カ月が経ちますが、今も多くの方が避難所に身を寄せて生活されています。その被災地には、地震発生直後から多くの医療従事者が支援活動のために派遣されています。私も2月9~13日の5日間と、2月17~21日の5日間、現地に入りました。今後のためにも、その活動を通して感じた課題についていくつかお話しします。
私は、2011年に発生した東日本大震災の際も支援のため現地入りしたのですが、今回は当時と比較すると多くの点が異なっていました。まず驚いたのは災害時に派遣される医療チームが増えていたうえ、役割が細分化されていたことです。東日本大震災の頃はDMAT(災害派遣医療チーム)とJMAT(日本医師会災害医療チーム)、赤十字、自衛隊くらいでしたが、今回はそれらに加え、DPAT(災害派遣精神医療チーム)、DICT(災害時感染制御支援チーム)、JRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)、DHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)などのチームが現地で活動しているのを見かけました。
災害医療チームとして最も知られているDMATは、阪神・淡路大震災において救えたはずの命が失われたことを教訓として発足しました。発災から48時間以内に活動できるように訓練され、1チームは医師、看護師、業務調整員の4~5人で構成されています。