若年層にも急増中…「糖尿病性白内障」に気をつけろ
そもそも白内障は、カメラのレンズにあたる水晶体が濁ることで視力が低下する目の病気。原因の多くは加齢によるものだが、糖尿病性白内障には加齢のものとは別のある特徴がある。眼科専門医で「自由が丘清澤眼科」(東京・目黒区)の清澤源弘院長が言う。
「白内障は3種類に大別されます。水晶体の中心にある核が濁る核白内障、核の周辺の皮質が濁る皮質白内障、水晶体の奥にある後嚢下白内障です。一般的に、核白内障は強度近視により核が硬化するなどして発症し、皮質白内障は加齢により発症します。一方、糖尿病性白内障で多いのは後嚢下白内障です。その特徴は、加齢による白内障は年単位で進行するのに対して糖尿病性白内障は進みが早く、月単位で進行し急激に視力が急低下してしまう点です。1.0あった矯正視力が3カ月後には0.2にまで低下するケースも珍しくありません。これは加齢による白内障は水晶体の周囲が徐々に白濁する皮質白内障と呼ばれる濁り方に対して、糖尿病性白内障の多くに見られる後嚢下白内障は、水晶体の後面中央がすりガラスのような濁り方となり、光をブロックするからです。2つ目は、糖尿病では特殊な糖やタンパクが水晶体内に蓄積し、浸透圧の関係で水晶体の屈折状態が変化するといわれます」(清澤院長)