若年層にも急増中…「糖尿病性白内障」に気をつけろ
ところが、「そのうち行けばいいや」と軽く考えて多忙な仕事を口実にして受診を先延ばしにしているうちに目をいくら凝らしても手元の書類すらよく見えなくなった。慌てて眼科専門医に駆け込んだところ、「目の状態が悪く、もう少し遅かったら白内障手術はできなかった」と告げられた。
幸いこの男性は真面目に血糖コントロールに取り組んだうえで、白内障手術を受けられたという。
「この男性は、それでも手術できたから良かったのですが、中には糖尿病網膜症など他の目の疾患がその後に見つかり、白内障手術では視力回復できないケースもあります。また、白内障の疑いを告げられた糖尿病患者さんの中には、その足で糖尿病のことをうるさく言わない眼科で白内障手術を受けてしまおうとする人もいます。しかし、これは危険です。高血糖のまま白内障手術を受けると、傷口の治りが遅く感染症のリスクが高まるため手術後の衛生管理が難しくなります。さらに、糖尿病性網膜症がある場合はそれが進行する可能性もあることなどが考えられます」(辛院長)
■月単位で進行し急激に視力が低下