著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

夏の抗がん剤治療は免疫低下による「食中毒」に注意する

公開日: 更新日:

 容赦ない暑さが続いています。地域によっては午前中から体温を超えるような気温に達し、午後は40度を超えた地域もあるそうです。これほどの暑さだと、猛暑によって健康被害を受ける方は少なくありません。熱中症対策は必須です。

 医学誌ランセット・プラネタリー・ヘルスは今年2月、興味深い論文を掲載しました。世界707都市における1969年から2020年に死亡した約1億3000万人のデータを用い、今後の気候変動が世界の死亡者数に与える影響を分析しています。

 その結果、年間平均気温が1.35度、2.73度、4.26度、5.55度上昇すると仮定した4つの気候変動シナリオをもとに解析すると、日本のような温帯地域では、暑い時季の死亡率が増加。寒い季節の死亡率は減少することが分かりました。日本の死亡数は冬に多く、論文は寒い季節の死亡率は高い水準を維持するとしていますが、温暖化の進展によっては状況が変わるかもしれません。

 夏に涼しく暮らすことは命の問題で、熱中症対策は不可欠です。それはがん患者も同じ。もうひとつ、酷暑に抗がん剤治療をした人やこれから受ける人は、生ものはじめ食中毒に注意することも大切です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 4

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  5. 5

    狭まる維新包囲網…関西で「国保逃れ」追及の動き加速、年明けには永田町にも飛び火確実

  1. 6

    和久田麻由子アナNHK退職で桑子真帆アナ一強体制確立! 「フリー化」封印し局内で出世街道爆走へ

  2. 7

    松田聖子は「45周年」でも露出激減のナゾと現在地 26日にオールナイトニッポンGOLD出演で注目

  3. 8

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  4. 9

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 10

    実業家でタレントの宮崎麗果に脱税報道 妻と“成り金アピール”元EXILEの黒木啓司の現在と今後