夏の抗がん剤治療は免疫低下による「食中毒」に注意する
容赦ない暑さが続いています。地域によっては午前中から体温を超えるような気温に達し、午後は40度を超えた地域もあるそうです。これほどの暑さだと、猛暑によって健康被害を受ける方は少なくありません。熱中症対策は必須です。
医学誌ランセット・プラネタリー・ヘルスは今年2月、興味深い論文を掲載しました。世界707都市における1969年から2020年に死亡した約1億3000万人のデータを用い、今後の気候変動が世界の死亡者数に与える影響を分析しています。
その結果、年間平均気温が1.35度、2.73度、4.26度、5.55度上昇すると仮定した4つの気候変動シナリオをもとに解析すると、日本のような温帯地域では、暑い時季の死亡率が増加。寒い季節の死亡率は減少することが分かりました。日本の死亡数は冬に多く、論文は寒い季節の死亡率は高い水準を維持するとしていますが、温暖化の進展によっては状況が変わるかもしれません。
夏に涼しく暮らすことは命の問題で、熱中症対策は不可欠です。それはがん患者も同じ。もうひとつ、酷暑に抗がん剤治療をした人やこれから受ける人は、生ものはじめ食中毒に注意することも大切です。