人間関係を重視し、仲間意識を重視するのは不安の裏返し
世界各国と比較したとき、日本人の特徴とは何でしょうか。統計数理研究所が行った国際的な比較調査を調べると興味深いことが記されています。
日本人の最も顕著な特徴──それは人間関係を重視し、中間的な回答をする。つまり、曖昧な答えを言う傾向が強かったそうです。また、他国と比較すると、次のような傾向があることも分かったといいます。
「生活においては、知人友人が極めて重要である」「仕事をするときは、『仕事はできるが、他人の事情や心配事に無関心な人』よりも、『仕事はあまりできなくても、他人と仲が良く、何かと頼りになる人』が望ましい」「物事を決めるときは、『一定の原則に従うことを重視する人』よりも、『他人との調和を図ることに重点を置く人』が好ましい」「自分の上司は面倒見の良い人が望ましく、同僚としては気の合った人たちと働くことを望む」
このように日本人は、とにかく人間関係を大事にする国民性だということが分かると思います。人間関係を大事にするといえば聞こえはいいですが、先の4つの傾向を見るに、“出る杭は打つ”ともいえるので一長一短。曖昧な回答をしたり、どちらともつかないグレーな発言をするのも、人間関係を調整するため。良いか悪いかは別にして、衝突を避けるために、あれこれと考えるのが日本人の特徴というわけです。