著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

人間関係を重視し、仲間意識を重視するのは不安の裏返し

公開日: 更新日:

 世界各国と比較したとき、日本人の特徴とは何でしょうか。統計数理研究所が行った国際的な比較調査を調べると興味深いことが記されています。

 日本人の最も顕著な特徴──それは人間関係を重視し、中間的な回答をする。つまり、曖昧な答えを言う傾向が強かったそうです。また、他国と比較すると、次のような傾向があることも分かったといいます。

「生活においては、知人友人が極めて重要である」「仕事をするときは、『仕事はできるが、他人の事情や心配事に無関心な人』よりも、『仕事はあまりできなくても、他人と仲が良く、何かと頼りになる人』が望ましい」「物事を決めるときは、『一定の原則に従うことを重視する人』よりも、『他人との調和を図ることに重点を置く人』が好ましい」「自分の上司は面倒見の良い人が望ましく、同僚としては気の合った人たちと働くことを望む」

 このように日本人は、とにかく人間関係を大事にする国民性だということが分かると思います。人間関係を大事にするといえば聞こえはいいですが、先の4つの傾向を見るに、“出る杭は打つ”ともいえるので一長一短。曖昧な回答をしたり、どちらともつかないグレーな発言をするのも、人間関係を調整するため。良いか悪いかは別にして、衝突を避けるために、あれこれと考えるのが日本人の特徴というわけです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  2. 2

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  3. 3

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    【萩原健一】ショーケンが見つめたライバル=沢田研二の「すごみ」

  1. 6

    中居正広氏の「性暴力」背景に旧ジャニーズとフジのズブズブ関係…“中絶スキャンダル封殺”で生まれた大いなる傲慢心

  2. 7

    木村拓哉の"身長サバ読み疑惑"が今春再燃した背景 すべての発端は故・メリー喜多川副社長の思いつき

  3. 8

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  4. 9

    【独自】「もし断っていなければ献上されていた」発言で注目のアイドリング!!!元メンバーが語る 被害後すぐ警察に行ける人は少数である理由

  5. 10

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード