過敏性腸症候群でもう悩まない(4)20代女性は食生活の見直しで職場復帰できた
お腹の不調に悩まされる「過敏性腸症候群(IBS)」で不登校や退職に至るケースは少なくない。薬に頼らなくても、生活習慣の改善で下痢の症状が軽減し、職場復帰したケースを紹介する。
都内に住む20代前半の女性は、転職を機に関西の実家を離れ昨年4月に上京。慣れない土地での生活に加え、新しい職場に対する緊張や不安で、入社前から激しい腹痛と下痢の症状に悩まされていた。入社から1カ月が過ぎた頃、通勤電車で突然便意に襲われ、下車してはトイレに駆け込むようになり、3日連続で会社に遅刻。その後、「電車に乗ったら漏らしてしまうのでは」との不安から出社できなくなり、心配した上司に促され消化器内科を受診。下痢型のIBSと診断されたが、内服薬での治療は避けたいと心療内科での治療を選択した。
女性は節約のために1日1食なうえ、ほぼ毎日インスタント食品で済ませていたことから消化が悪い状態になっていた。まずはタンパク質や食物繊維を多く含む食事を意識したメニューを1日3回から4回に分けて摂取し、一度に摂取する量を減らす「食事療法」を開始。並行して身体機能の維持や自律神経の乱れを正す軽めの有酸素運動(ウオーキング)を週に3回、1日20分続けたところ、徐々に腹痛や下痢の症状が軽減された。休職から3カ月経った8月に職場復帰に至り、同時に心療内科での治療も終了した。