著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

人間関係を重視し、仲間意識を重視するのは不安の裏返し

公開日: 更新日:

 人間の基本的欲求の中には、「親和欲求」と呼ばれる、誰かと一緒にいたいと思う気持ちが備わっています。家族、友達、交際相手など心を許せる人たちと一緒にいると安らぎを覚えるのは、この親和欲求によるものなのですが、協調を好む日本人は親和欲求が強いとも言い換えられるかもしれません。

 心理学者のシャクターが行った「電気ショックを与える」という実験(1959年)は、親和欲求を知る上でとても興味深い結果を報告しています。

 実験は、「電気ショックはあくまで生理的反応を測定するため」と被験者に説明した上で、「電気ショックはかなり不快で苦痛を伴うと説明したグループA」と、「電気ショックは軽いもので苦痛を伴わないと説明したグループB」の2つのグループに分けて行いました。

 そして、実験開始前に意図的に10分間待機するように指示し、「1人で待つ」か「複数で待つ」かを選択させました。その結果、グループAの62.5%が「誰かと一緒に待ちたい」と答え、グループBでは33%が「誰かと一緒に待ちたい」と答えたといいます。つまり、不安が強いほど誰かと一緒にいたいという気持ちが強くなることが示されたのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  2. 2

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    二宮和也「七五三」隠し撮りに激怒の覚悟…入学式や運動会にも厳しい視線、あの俳優夫婦も警告の過去

  5. 5

    旧ジャニーズ“復活”で女帝復権か…米国でスルー状態のTravis Japanを日本メディアが一斉ヨイショの裏

  1. 6

    あの大谷翔平が苦々しい顔でインタビュー拒絶…フジテレビと“愛車無断公開犯”元木大介氏の先輩づらに嫌悪

  2. 7

    岡田阪神“強制終了”は「事実上の解任」…体調不良で異例の退任会見ナシなど誰も信じない

  3. 8

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで

  4. 9

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  5. 10

    グリズリーズ河村勇輝に試練!ルーキーが直面する超過酷な伝統「雑用係」衝撃の中身