10月の薄暮に急増…交通事故に注意したい「目」の病気
「高齢者の多くが加齢により網膜の光を感じる機能が低下しているうえ、暗順応時間の延長が起きやすい病気を抱えていることも一因ではないでしょうか。特に注意したいのは緑内障、加齢黄斑変性症、網膜色素変性症、糖尿病網膜症などの目の病気のある方です」
暗順応とは、目が時間経過とともに暗さに慣れていく現象を言う。暗さに慣れるには目の網膜の細胞のうちでも、光そのものを感じる桿体細胞の感度が、視物質の再生産を介して増す必要がある。
「ヒトの目にはカメラの絞りと同じで、網膜に入る光の量を調節する虹彩があり、暗くなると瞳孔が開いてなるべく多くの光を取り入れようとします。しかし、それだけでは暗さに慣れて物を見ることができることの説明ができません。桿体細胞の光に対する感度自体が増す必要があります」
桿体細胞内のロドプシンが光によって分解され、暗い環境では再生成がなされる。この再生成が進むことで、桿体細胞の感度が高まり、暗い環境でも視覚が確保される。このロドプシンが増えるには時間がかかる。そのため暗順応の完了までには30分かかるといわれている。