10月の薄暮に急増…交通事故に注意したい「目」の病気
逆に暗い場所から明るい場所に移動したときにはロドプシンが分解され、網膜上の桿体細胞に代わって網膜上の錐体細胞が主に働く。このときの「明順応」は数秒で完了できる。
「明順応よりも暗順応の方が完了まで長い時間がかかるため、目が暗さに慣れるまで長い時間がかかるのです」
■病気によって暗順応が遅延
通常は7分程度だが、目の病気によってはさらに長い時間がかかったり、あるいは時間がたっても見えてこない。
「例えば網膜色素変性症です。網膜に異常をきたす、遺伝性、進行性の病気で、主に桿体細胞が障害されることが多い。そのため、暗いところでは、目が見えなくなったり(夜盲症)、視野が狭くなったり、視力が著しく低下したりします」
緑内障は40代の20人に1人が発症する中途失明第1位の怖い病気で、主症状として視野狭窄が有名。この疾患では、暗順応の遅延も知られている。
「加齢黄斑変性症は、黄斑部と呼ばれる網膜の中心にある、最も光の感度の良い部分に変性が起きて、視界のゆがみや視力低下などの視力障害が起きる病気ですが、これでも暗所視障害があることが知られています」