「睡眠時無呼吸症候群」治療のCPAPがつらい…解決のポイントとは
「クリニックによってCPAPのアドヒアランスが異なります」と言うのは、元虎の門病院睡眠センター検査技師責任者で、CPAP導入にあたり複数の施設や病院で指導経験がある川名ふさ江氏(現「ゆみのハートクリニック」睡眠検査統括技師)。
「CPAPの使用状況はクラウドで確認できるので、使用率が落ちている患者さんには密に電話をかけ、装着継続のサポートが必要。特に最初の1~2週間が大事で、患者さんに寄り添って継続できるようさまざまな提案を行うことが大事なのです。しかし一方で、放置しているところもあり、そういうところでは継続率が低くなりがちです。CPAPが続けられない患者さんは、患者さんとのコミュニケーションを大事にしているクリニックに替えてみることも一つの手ではないでしょうか」(川名氏)
CPAPには代表的なメーカーだけでも5つほどあり、空気の送り込み方、マスクのフィッティングなど、それぞれ特性が異なる。CPAP継続率の高いクリニックでは、各患者に合ったCPAPやマスクを選ぶことにも積極的なところが多い。
「CPAPは鼻呼吸ができていないと効果がないのですが、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは口呼吸になっているので、慣れるまで時間がかかる。最低で1カ月、長い人なら3カ月はかかります」(川名氏)
患者側がCPAPの治療が必要かをしっかり理解し、取り組まなければならない一方で、自分の努力だけではなんともできないところをクリニック側に助けてもらう。CPAPに挫折した──という人は、そのまま諦めてしまわないで、CPAP治療に伴走してくれるクリニック探しから始めてはどうか。