著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

作業効率が悪いときは時計の「運針速度」を速めてみる

公開日: 更新日:

 集中しているとき、不思議と時間が早く感じられることがないでしょうか? 千葉大学の研究によると、感じている時間というのは、体験した出来事の数ではなく、出来事を「体験した」と認識するために必要な脳のエネルギーや集中力を使えば使うほど長く感じられる--。つまり、今やっていることにどれだけ一生懸命に頭を使っているかによって、体感時間が変わるということが示されたといいます。

 また、生物学者のヴァン・ワッセンホフらの研究チームは、1秒間に起こったことの順序を脳がどのように認識するかを研究しています。その結果、見るものや聞くものによって、時間の受け取り方が変わることを突き止めています。

 例えば、視界の中で対象物が大きくなったり近づいたりすると、時間がより長く感じられることが分かったといい、何かに強い注意を向けると、時間の認識が歪められることも判明したそうです。すなわち、強い注意を向ける=集中していると、時間が早く過ぎ去ったように感じられるというのです。

 このように時間感覚は、理屈さえわかれば、ある程度コントロールすることが可能というわけです。東京大学の伴らによる、「時計の運針速度を速めると、作業の量的質的効率が向上する」という興味深い研究(2016年)があります。運針とは針の動きのことです。秒、分、時間ごとに進む時計の針の速度を速めると、作業効率が向上するというのだから驚きでしょう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」