「不便」の中から「益」を見いだそう…それが、やりがいにつながる
「不便益」という考え方があります。京都先端科学大学の川上浩司教授らによって提唱されている「不便だからこそ得られる益」があるという考え方です。
川上教授は、セル生産方式という工業製品の組み立て手法を研究している方ですが、セル生産方式では、作業員が1台の自動車を1人で組み立てる方法を採用しています。効率的な作業とは対極にある方法ですから、皆さんは、「そんなことをして何になるの?」と思われるかもしれません。
しかし、セル生産方式の作業員は、この方法によってやりがいを感じ、スキルアップを実感しているといいます。不便な手法を採用するからこそ、モチベーションの向上やスキルの向上というメリットが得られているというわけです。
私たちは、つい効率の良さや最適解を求めがちです。しかし、それを求めるがあまり、悩み、躊躇し、疲弊します。であれば、「最適解でなくてもいい」というマインドを持つことができれば、もっと気持ちが楽になるはずです。
そうした考え方の添え木となるのが、不便の中に益を見いだすことができる「不便益」という考え方です。当初は、間違った選択だったと感じていたことも、その後の自分の行動次第では、「結果的に良い判断だった」と思うことができます。