(3)娘の1日4回の投薬指示に父は「もういいよ!」と逆ギレ

公開日: 更新日:

 点眼薬を挿入する朝、昼、夜、寝る前の時間を書き込み、各時間の下に「赤色」「オレンジ色」「青色」の容器の絵を3色のマジックペンで描く。テレビの上方の壁に「厳守!」と書いて貼り出し、裕子さんの自宅から、電話による“遠隔操作”を始めた。

 点眼薬をさす時間が来ると、「お父さん、左目にまず赤色の目薬を1、2滴入れて、目をパチパチして。5分過ぎたら今度はオレンジ色の目薬を入れて、また目をパチパチよ」といった指示を出す。

 裕子さんは、買い物の最中や家族での食事中でも、1日数回、電話を繰り返した。

 そんな“遠隔操作”を孝一さんは面倒くさがり、「もういいよ!」と怒り出した。手術前の右目に点眼薬を挿入することもあった。

 点眼薬の挿入をめぐる親子のバトル。さらに困ったのは、術後から半月後、今度は右目も手術したことで、点眼薬のさし方がより複雑になったことである。

 裕子さんは言う。

「院長から、術後、目が改善するまで父との同居を勧められました。でも、父が同居を嫌がったのです」=つづく

【連載】認知症患者の白内障手術体験記

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    尽きぬ破天荒エピソード…それでもショーケンが愛された訳

  2. 2

    河合優実が日本アカデミー賞「最優秀主演女優賞」の舞台裏…石原さとみと激しいガチンコ勝負

  3. 3

    教諭体制は日本一も…“国公立の雄”筑波大付属小の落とし穴

  4. 4

    「中居正広問題」ではノーダメージも、夫は吉本芸人…フジ山﨑夕貴アナの育休復帰は正解か

  5. 5

    やす子は人間不信に…友人から借金を頼まれたら「さっさと貸して縁を切る」という新発想

  1. 6

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 7

    「石破降ろし」不発の裏でうごめく与野党の身勝手な思惑…野望ついえた安倍一派は“特大ブーメラン”に真っ青

  3. 8

    愛子さまに、佳子さまご結婚後も皇室に残る案が進展も…皇族数減少の課題にご本人の意思は?

  4. 9

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 10

    数年前から“終活”も 萩原健一さんの知られざる闘病生活8年