著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

ヒントは冬眠するリス…手術をしないで白内障が治る?

公開日: 更新日:

 白内障は、カメラのレンズのような役割を果たしている目の水晶体という部分が白濁して、視力が低下してしまう病気です。この水晶体が白く濁る原因は、水晶体のタンパク質が変性して、固まってしまうことにあります。いったん水晶体が白濁してしまうと、自然に元に戻るということはなく、進行した白内障の治療は白く濁った水晶体を除去して人工のレンズを埋め込む手術しかありません。

 それでは、手術をしないで白内障を元に戻すという方法はないのでしょうか?

 冬眠するリスの一種では、気温が下がると水晶体のタンパク質が固まって、人間の白内障と同じ状態になり、春になって気温が上昇すると、それが元の透明な水晶体に戻る、という現象があります。

 今年の生物医学研究の専門誌に、興味深い研究結果が報告されています。リスの水晶体の温度を上げると、そこで特殊なタンパク質が働いて、それが一度白濁した水晶体を元の透明な状態に戻す働きがあることが確認されたのです。通常は白内障が改善することはないネズミの水晶体に、この特殊なタンパク質を注入すると、リスと同じように白内障が元に戻ることも確認されました。

 これはまだ動物実験の結果なので、そのまま人間に適応されるものではありませんが、こうした研究が進めば、手術をしないで白内障が治るようになるかもしれません。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  5. 5

    露呈された韓国芸能界の闇…“兵糧攻め”にあうNewJeansはアカウントを「mhdhh」に変更して徹底抗戦

  1. 6

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  2. 7

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  3. 8

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  4. 9

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  5. 10

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い