文在寅前大統領が“第2の人生”に選んだのは田舎の本屋の店番…韓国での生活を見に行った
北朝鮮“びいき”の政治で知られた韓国前大統領、文在寅氏。退任から1年経たずして、北朝鮮軍による韓国人射殺事件の情報隠蔽や、韓国への亡命を希望する脱北漁民2人を強制送還した事件で当時の高官らが逮捕、起訴され、文氏にも疑惑の目が向けられてきた。韓国大統領といえば、退任後は逮捕や自殺など悲惨な末路をたどるケースが少なくないが、現在、文氏は小さな村の本屋で店番をしながら充実したセカンドライフを送っているという。現在の彼の暮らしを一目見ようと、日刊ゲンダイは韓国へ飛んだ。
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韓国・釜山の金海国際空港から車を走らせること1時間、緑に覆われた山々に圧倒されながら到着したのが慶尚南道梁山市の平山村だ。
文氏は退任後に故郷であるこの地の住宅を8億5000万ウオン(約9000万円)で購入し、昨年4月、「平山書房」を開業。1日1回は店に顔を出すという文氏を一目見ようと、全国各地から訪問客が殺到しているという。車を降り、狭い坂道を徒歩で上り続けること10分、「文在寅が来た!」と叫ぶアジュンマ(おばちゃん)の声の先にその本屋はあった。
店内は詩や小説、歴史書を中心に大量の書籍が陳列され、片隅には本好きで知られる文氏の推薦本や、著書コーナーも設けられている。
店奥に目を向けると、レジカウンターの前でエプロンに身を包み、訪問客らの写真撮影に応じる文氏の姿が。
記者も運良く書店員から「写真を撮らないか」と声をかけられ、文氏といざ対面。
■「日本から来た」に驚いた表情で
「日本から来た」と伝えると、一瞬アッと驚いた表情を見せたが「よく来たね」と優しい笑みを浮かべながら快く写真撮影に応じてくれた。満足感に浸りながら併設するカフェに向かうと、そこはコーヒーを片手にくつろぐ訪問客であふれかえり、おのおの文氏との対面を心底喜んでいるようだった。
和やかな雰囲気の一方で、近隣住民を悩ますのが騒音問題だ。連日、本屋周辺では保守系団体による抗議デモが行われている。
記者が訪れた日も、「(北の)スパイ野郎」「本屋を閉めてブタ箱(刑務所)に入れ」など、拡声器を通した大音量の罵声が絶え間なく飛び交い、辺り一帯は文氏を侮辱する内容が書かれた横断幕で埋め尽くされていた。