ダイハツ工業(上)品質不正は64車種に…なぜトヨタグループでこうした不正が続発するのか
暮れも押し迫った昨年12月20日、ダイハツ工業の品質不正を調査した第三者委員会は報告書を公表した。4月、従業員の内部告発でドアトリム、5月にはポール側面衝突試験での不正が発覚。第三者委員会の調査の結果、すでに生産終了したモデルを含めて64車種174件という大規模な不正が明らかになった。エンジン3機種もあり、衝突試験ではタイマーでエアバッグが作動するような細工をしたと指摘した。
ダイハツはトヨタ自動車の完全子会社で、グループ企業の車も生産している。マツダやSUBARU(スバル)から委託された、相手先ブランドによる生産(OEM)供給分も含まれる。
■全工場の生産を停止
この結果、少なくとも1月末まで車の出荷、および全工場の生産を停止した。部品メーカーや自動車販売店(ディーラー)に対して損害を補償する方針。直接取引のある1次部品メーカーが国内だけで423社、2次以下の下請けは4000社以上あり、他に運送会社など生産に直結しない取引先が1000社以上。資本関係のない販売店が約3万店ある。いずれも補償の対象とする。