豊田章男トヨタ会長と破綻した旧タカタ高田重久元会長に見る「外部」と「内部」の大きな差
「塾高(慶応義塾高校)に受験して入ってきた“外部”と下から上がってきた生徒はだいぶ違う。外部のほうがずっとたくましい」と話すのは幼稚舎→普通部→塾高と内部進学した慶応大の文系教授。幼稚舎出身者同士で会話をする際、自らを内部、あとから入ってきた生徒を外部と呼ぶ。差別とは違うが、塾生を代表しているのは自分たちだという意識が強いのだ。
しかし、「プライドが高いわりには自己主張は弱く、おっとりしすぎて結局、外部にどんどん押されていく」というのが幼稚舎OBとしての文系教授の自己分析だ。
「そういう意味では、外部でも中学(普通部、中等部)からではなく、塾高からの入学組は特に肝がすわっている」と話す。その代表格はトヨタ自動車の豊田章男会長。愛知教育大付属名古屋中から高校受験して塾高に合格した。昨年末は子会社のダイハツ工業の認証不正問題で陣頭指揮をとり対策に奔走。出張先のタイでは記者会見に臨んだ。
「創業家の御曹司でありながら自ら一番険しい場所に立つ」(経済部記者)と評される豊田氏が逃げない姿勢を鮮明にしたのは社長就任翌年の2010年だった。リコールで揺れるトヨタの責任者として、米公聴会や北京での謝罪会見に臨んだ。