ダイハツ工業(上)品質不正は64車種に…なぜトヨタグループでこうした不正が続発するのか
手持ち資金で賄いきれない場合は、親会社のトヨタ自動車から支援を仰ぐ。ダイハツが巨額の赤字に陥れば、親会社、トヨタの業績への影響は避けられない。ダイハツの企業規模でも、関係先はこれだけある。自動車産業の裾野の広さを改めて印象付けた。
この1、2年を振り返ると、トヨタグループの不祥事が相次いだ。2022年3月、日野自動車のエンジン燃費試験での不正が発覚した。23年3月には、トヨタグループの本家にあたる豊田自動織機でフォークリフト向けエンジンの不正が明らかになった。
12月20日には、北米トヨタでエアバッグのセンサーに不具合が見つかり、100万台がリコールとなっている。同日、ダイハツの車両認証試験の不正が公表された。
第三者委の貝阿弥誠委員長は「決められた開発日程を守らないと大変なことになるとの思いで、認証試験に確実に合格することを目的にした行為」と述べた。
なぜ、トヨタグループで、こうした不正が続発するのか。
「トヨタが効率的に車を造るために進めてきた“トヨタ方式”についていけなくなったのではないか」は自動車担当アナリストの見立てだ。