グリーンモンスター 小川亮社長(1)体験型学習アプリで投資家デビューを支援
「金融先進国」の米国では義務教育の段階で投資についての授業が組み込まれている。社会人になって自身の資金ができると、投資に回すのが自然な流れ。一方、「金融後進国」の日本では投資を学ぶ機会がほとんどなく、生活費やローンを除いたカネは預金するのが一般的。投資は「金持ちがやるもの」というイメージが浸透している。
こうした現状を打破すべく、政府もようやく重い腰を上げ始めた。2022年4月から高校で金融経済教育に関する授業が必修化。今年1月、新NISAがスタートし、4月には金融経済教育推進機構が設立された。
金融教育の重要性が叫ばれる中、体験型投資学習アプリを次々に開発し、注目を集めている企業がある。今年3月に東証グロースに上場したグリーンモンスターだ。「おかねに対する意識と行動を変える」をミッションに掲げ、投資デビューを支援してきた。率いるのは「ずっと夢見がちで生きてきた」という小川亮(あきら)社長(46)。
愛知県の最北端にある犬山市の山に囲まれた地域で育ち、「からだだけはすごく丈夫だった」と振り返る小川氏。小学校から中学までの9年間は一度も休んだことがなかった。両親と3歳上の兄の4人家族。「地方公務員の父はどちらかといえば理系。兄も京大の理系に進み、僕だけが文系という感じだった」と振り返る。無類の本好きだった。山本周五郎や遠藤周作など、手当たり次第に貪り読んだ。中学ではバレー部に入った。