アールケイエンタープライズ 原幸雄代表(1)ブランド品リユース店「ロデオドライブ」を運営
「遠くの親戚より近くの質屋」とは誰が言った言葉だろうか。持ち込まれた品物を担保に金銭を貸す質屋の業態が現れたのは鎌倉時代中ごろのこと。江戸時代に庶民の金融機関として定着し、戦後の混乱期は多くの人びとの暮らしを支えた。
「当社の前身となるカドヤ質店が開業したのは、その戦後間もないころ。商売が軌道に乗った1954年に父が法人化しました」
そう話すのは、神奈川県横浜市に本社を構える株式会社アールケイエンタープライズの代表取締役・原幸雄氏(67)だ。その後、高度経済成長期を経てバブルが崩壊すると、良質な中古ブランド品が大量に市場に出回ることとなった。そのため、質屋が質草としてブランド品を取り扱うようになり、2000年ごろには「ブティック質屋」とよばれるような質屋が全国に広まった。また、金融危機を境に中古品を買い取って再販売するリサイクルショップが台頭。さらに、2008年のリーマン・ショックで株が暴落した時は安全資産とされる金の価格が高騰。金・プラチナの買い取りブームが起こったことで買い取り専門店が急増した。時代とともに変遷するリユース業界において、原氏は常に先を見据えて事業を発展させてきた経営者だ。