キリンビバレッジ 井上一弘社長(1)入社4年目で北海道に飛ばされる

公開日: 更新日:

「若者に、ゴルフなんかで訴求したってダメですよ」。1987年秋、サッポロビール就活の最終面接。

「当社について忌憚のない意見を聞かせて欲しい」と言われた青山学院大学経済学部4年の井上一弘(58)は、プロゴルファーのセベ・バレステロスを使う同社の商品CMについて、堂々とした態度で促されたとおりに忌憚なく話した。

 3人いた面接官の一人の表情が、やや引きつったようにも見えたが、「通るだろう」という確信を井上は抱いていた。というのも、井上の父親は、サッポロと同じ芙蓉グループの日清製粉に勤めていて、「話を通してもらっていた」から。

 ところがだ。結果は不採用。言いたいことを発する一言居士の人柄は、どうやら学生時代から変わらないようだ。

 もっとも、仮に当たり障りのない意見を述べていたならサッポロビールへの入社はかなったろうが、「キリンビバレッジ社長」という、いまのポジションにいないことだけは確かである。ヨット部に所属しながら大学3年次から、六本木でバーテンダーのバイトをしていて「酒には興味があった」。同時期に受けていた、コネも何もないビール最大手のキリンビールには採用となる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇