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渡辺周Tansa 編集長

日本テレビを経て2000年に朝日新聞入社。17年にワセダクロニクル(現Tansa)を創刊、電通と共同通信の癒着を暴く「買われた記事」で、日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」。寄付で運営し非営利独立を貫く。ご支援を! https://tansajp.org/information/10731/

非正規雇用が30年で20.3%→37.1%に…増加は1995年の財界リポート「新時代の日本的経営」がきっかけ

公開日: 更新日:

「何とかしてコストを下げないと、本当に日本経済が潰れるかもしれないという危機意識がありまして」

 だが、その後の展開は予想していなかった。

「われわれの目算ですと、季節労働者と主婦と学生、その他退職したあとの労働者などを含めて、だいたい2割はそんなにきっちり働かなくていいよという人たちがいるなという感じだったんです」

「非正規雇用が全体の2割だったらば、その人たちはもし不況になって首を切られても帰るところがあるんですよ。今のように35%になると、帰るところがない人が15%になっちゃうでしょ。これはやっぱり、予想外だったですね。残念ですけど、われわれの見通しの甘さ」

■労働者派遣、対象見直しを閣議決定

 自民党は当時、何をしていたのか。

 1993年に初めて下野したが、翌年には社会党、新党さきがけとの連立で政権に復帰。「新時代の日本的経営」が出た95年は、労働者派遣事業の対象業務を見直すことが閣議決定された。96年には、労働者派遣法が改正され、対象業務が16から26に増えた。(つづく)

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