初実戦は打ち上げ前日 西武“異例キャンプ”の狙いと不安
22日の試合後、「そら見たことか」と笑っていた他球団スコアラーも、この日は黙るしかなかった。オープン戦2試合目となった23日のソフトバンク戦で、西武打線が12安打8得点と大爆発。6安打でたった1得点だった初戦とは打って変わって、鋭い打球がポンポンと外野を跳ねた。
西武は今回、異例のキャンプを行った。11年ぶりに復帰した伊原監督の「地に足をつけて土台をつくる」との方針で、前半はボールを使わない練習に終始。第1クールはフリー打撃すら行わず、キャンプ打ち上げ前日の20日になってようやく初の実戦となる紅白戦を1試合やっただけだった。
キャンプ打ち上げ後も栗山や岸、牧田ら主力14人はそのまま南郷に残って練習。22日から始まったオープン戦は若手主体という徹底ぶりなのだ。
これに、選手が「試合勘がつかめない」と不安を漏らしても、伊原監督は「昔はどの球団もキャンプは練習中心だった」とピシャリである。
■成績次第で伊原監督のクビが飛ぶ
昨季、西武は開幕ダッシュに成功。序盤は首位を保っていたものの、主力の故障に若手の疲れが重なり5月に急失速。夏場は4位と低迷し、ようやく10月に入って2位浮上。辛うじてCSに出場することができたものの、ファーストステージでロッテに敗れた。その反省から、体力強化と土台づくりに重点を置いたキャンプを行ったとみられる。