球界一の如才なさ 西武・伊原監督の“筆まめ”
西武・伊原春樹新監督(65)は、筆マメで知られる。年賀状や暑中見舞いはもちろん直筆で、「電話やメールじゃ気持ちは伝わらない」と、世話になった人への礼状も欠かさない。そんな指揮官を「球界には珍しい常識人」と評する声がある一方で、「如才のなさは球界一」との見方も多い。
「西武コーチ時代、当時の堤オーナーにもよく手紙を書いていたらしい。建白書みたいな内容のものもあって、02年の監督就任は、それがモノをいった。今回、10年ぶりに西武に復帰したのも、現オーナーに手紙でも書いたんじゃないか」とは、某西武OB。30年に及ぶ指導者歴は、そうしたゴマすりのたまもの、というやっかみの声だ。
キャンプ2日目の2日、その伊原監督が就任後に初めてノックバットを握った。三塁の守備位置についた外野手の大崎らに対し、声を張り上げながら鋭い打球を連発。5年ぶりに打ったというノックの感想を聞かれ、「コーチがやらせてくれないから、強権を発動した」とご機嫌だった。
この日は、後藤オーナーがキャンプを視察。精力的な指揮官の姿が頼もしく映ったことだろう。
「ほとんど丸一日(練習を)見られていた。熱心ですね」と感謝の言葉を口にした伊原監督。5年ぶりに握ったノックバットがすりこぎに見えたOBもいるかもしれない。