マー君が「英語勉強計画」をいったん白紙に戻した理由
「英語はまったく分かりません。正直、他の選手に話しかけられても何を言っているか分からない(笑い)」
渡米当初からこう言っていたヤンキースの田中将大(25)。
キャンプインから1週間以上が経ち、日に日にメジャーの環境には慣れつつあるものの、英語に関しては別。首脳陣や選手とのコミュニケーションは専属通訳に頼りきりなのが現状だ。
球場入り後はロッカールーム内を含め、基本的に通訳が傍らにつく。室内練習場やトレーニングルームで汗を流す際にも必ず寄り添うほどだ。
問題はサインプレーや投内連係などの練習中である。いったん練習がスタートしてしまうと、田中のためにわざわざ通訳が入ることは難しい。そんな時、本人が頼りにしているのが同僚の黒田博樹(39)だ。
メジャー7年目のシーズンを迎えたベテラン右腕は英語を流暢(りゅうちょう)に話すうえ、練習内容をほぼ把握している。そこで田中のキャッチボール相手を務めるだけでなく、一つ一つの練習が始まる前にその内容や意図を説明。田中はそれを聞いたうえで、黒田の動きを真似するようにして汗を流している。先日の投内連係では、本塁への送球に使われる捕手の「four!(4)」という指示が聞き取れなかったのかどうか、何度も傍らの黒田に確認。黒田にピタリとついて離れないといった感じなのだ。