ダメ虎投手陣で抜群の安定感 “無名の男”岩崎優の反骨心
「ここまで活躍するとは思っていませんでした」スポーツライターの安倍昌彦氏がこう言った。
9日のDeNA戦、阪神のドラフト6位左腕・岩崎(国士舘大)が7回1失点と好投。安倍氏が岩崎を知ったのは、彼が清水東高(静岡)時代、まだ外野手をやっていた時だった。
「静岡に左打ちでパンチ力のあるいい外野手がいると聞いていたが、清水東高は進学校。岩崎がいた頃も夏の大会で2回戦敗退しているように才能はあれど、ほぼ無名の存在だった。大学に進学して1年秋から4番を打ち、打者として生きていくのかと思ったら、2年春から投手デビュー。今まで投手をやっていたような球持ちの良いキレのあるボールを投げた。外野手から投手に転向したケースでは、勢いに任せたいわゆる『野手投げ』をする選手が多いもの。高校から本格的に投手をやっていたら、もっと騒がれていたでしょう」
■熱狂的な甲子園マウンドで涼しい顔
前回、プロ初登板初先発となった2日の中日戦ではプロ初勝利をマーク。速球は140キロに満たないが、ボールに角度があり、打者の手元で伸びる。特にカーブ、スライダーの低めの制球力があり、DeNAの打者はみな差し込まれていた。