<第2回>祖父・正幸氏の趣味は狩猟、父・徹氏は県大会入賞の陸上より野球の道へ

公開日: 更新日:

 地元の中学に進んだ徹は坊主頭になるのが嫌で野球部ではなく、陸上部に入った。しかし、結局、2年生から野球部でプレーすることになる。

「中2のとき、陸上部に駆り出され、3種競技(100メートル走、走り高跳び、砲丸投げ)で県大会で入賞したんですけど、その上となるとなかなか難しくて。例えば100メートル走。コンマ数秒でも、結局、相手の背中を見て走ることになるわけじゃないですか。それが嫌で嫌で……負けるのが嫌いだったんです」と徹は言う。

 県6位でも、自分の目の前に5人いることが我慢できない。当時の野球部はさほど強くなかったものの、野球は陸上ほど明確に個人の優劣がつくわけではない。しかし、個人の活躍がときに勝敗を左右する。徹はエース兼4番打者として、県内の野球強豪校監督の目に留まる存在になった。

 中学3年の夏、地元・北上市内の県立黒沢尻工業が通算2回目の甲子園に出場した。2回戦で鹿児島商工を下して3回戦に進出。翌年の春の選抜にも出場した。私学に進むことも考え、決まりかけた学校もあった。しかし、黒沢尻工業監督の「甲子園を目指すならウチに来なきゃダメだ」という言葉には説得力があった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???