<第2回>県大会入賞の陸上より野球を選んだ父・徹氏の矜持

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 黒沢尻工業は当時、野球強豪校。中学時代はエースで4番、腕に覚えのある連中が集まってくる。徹は外野手として、主に1、3、5番を打った。

「ピッチャーは1年生のときにダメだと。クビですね(笑い)。内野もちょこっとやらせてもらいましたけど、すぐに外野手になりました」

 野球漬けの毎日を送りながら、甲子園には届かなかった。1年時は決勝で盛岡一に敗れ、2、3年時は初戦敗退。野球に打ち込んでいた分、3年夏、地区予選で敗れたときの反動は大きかった。野球が嫌になった。俗に言う「燃え尽き症候群」だった。(つづく=敬称略)

【連載】秘話 大谷翔平「二刀流の血脈」

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