体重増の狙い、憧れの選手は…日本ハム大谷に「15の質問」
「100点じゃないかと思います」
こう言って米アリゾナの1次キャンプを打ち上げた日本ハムの大谷翔平(21)。10日の初登板では157キロのストレートでメジャースカウトの度肝を抜き、ここまで実戦4試合で12打数6安打と大リーグ関係者をうならせた。17日から沖縄の名護で2次キャンプに臨んでいる大谷が、投打に関する本音や私生活まで明かしてくれた。
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――投手としての課題のひとつは制球力ですか。
「(制球力は)日々、上がってきているとは思いますけど、やっぱりあって損はない、絶対的に必要な部分ですから」
――オフに体重を増やした狙いはパワーアップと技術向上のどちらですか?
「どっちもですね。筋力がないとできない技術やメカニズムや動きがあるので。技術をうまくするためのフィジカルだと思っています。筋力をつければ野球がうまくなるなんてこともありませんから。野球がうまくなるために必要なこととしてウエートトレーニングを入れているだけ。ですから体重が何キロ増えたとか、体脂肪率が何%ということは、ボクはそこまで大した問題ではないと思っています。どこまで野球がうまくて、自分のパフォーマンスを高く発揮できる体をもっているかという方が大事です。必要な段階として一回、増量してということは考えていました。そのために必要な練習はオフにできたかなと思っています」
――球速とコントロールのどちらを優先していますか。
「う~ん……僕は表裏一体だと思うんです。正しいフィジカルで、正しい投げ方をすれば、球速も上がるし、コントロールも良くなるし、スタミナ面でもプラスだと。バッティングも一緒。打球を飛ばすためにつけた筋肉がピッチングでマイナスになるとは思っていません。どちらも役に立つ、その基準値、ある一定の値を超えてきたら邪魔になる箇所というのは、もしかしたらあるかもしれないですけど。現時点でそうは考えていませんし、いまのこのフィジカルの筋量であれば、どちらでも役に立つくらいだなと思っています。どちらにもいい作用があって、なおかつ自分のパフォーマンスを高められるフィジカルの上限というのをオフの2カ月でどれくらい上げられるかといったら、体重は11キロ増とかでも筋量自体は5キロ増くらいのものですから」
――筋肉がないと技術的に上がらない部分があるとはどういうことでしょう。
「分かりやすく言えば、小学校低学年の子が、いきなり950グラムぐらいの木製バットをもって、きちっとしたスイングができるかといえば、そうじゃない。やっぱり、その子に合ったプラスチックのバットでもいいですし、その形状、その重量のバットでできる運動というのがあるでしょう。この重量を扱ううえで、スイングスピードを維持したまま正確にコンタクトするには筋肉、筋力もないとできないこともあります。僕は特に体も大きいですし、身長(193センチ)もあって、手も長いので、ますますないとキツいかなと」
■ソフトバンクに苦手意識は?
――打者としてのプランはありますか。
「よりシンプルにしたいと。フォームもそうですし、考え方もです。2年目に(本塁打)10本打たせてもらいましたけど、3年目に入って、もっとこうして打ちたいというのができなかったときに、こうじゃないな、もっとこうしたいという部分……欲ではないですけど、変なものが出てくる。ですから、よりシンプルに打つために必要なことを考え、ただ打てばいいというか。いい結果の中にも課題、悪いところを見つけるのも大事かもしれませんけど、いいものはいいし、それ以上を求めなくてもいいのかなと」
――ソフトバンク戦の数字が悪い(4試合で1勝2敗、防御率6・58)のは苦手意識ですか?
「もちろん、ソフトバンクも強いですし、打線としてみても強いんですけど、ここで勝てば一挙に乗れるんじゃないかという登板で、自分の中で気負った部分はあります(8月4日のソフトバンク戦は6回3分の1を9安打7失点)。初めてそういう大事なマウンドを中10日ですかね、わざわざ空けてぶつけてもらって、変なものが出てきますし。ソフトバンクだからというのももちろんありますけど、もしかしたらそのとき首位がロッテでも西武でも楽天でもそうなっていたかなという部分はあります。ソフトバンクがよかったというのもありますし、自分の力が足りなかったというのもありますけど、まず、100%に近いパフォーマンスというか、自分のやりたいことができなかったというのがありますね。相手以前に自分の中の問題の方が大きい? そうですね」