大関昇進確定 栃ノ心にかけられる“モンゴル勢駆逐”の期待
「(大関昇進は)うれしいけど、もっと頑張らなきゃいけない。稽古に精進して、力強い相撲を取りたい」
千秋楽から一夜明けた昨28日、晴れ晴れした表情でこう語ったのが栃ノ心(30)だ。5月場所で13勝2敗の好成績を挙げ、大関昇進を確実なものとしたこのジョージア人力士には、その先の横綱はもちろん、「打倒モンゴル勢」の期待もかかる。
かつて大関を張った照ノ富士が幕下陥落とはいえ、まだまだ彼らの勢いが衰えたわけではない。今場所は鶴竜が優勝し、エルボーを封じられた白鵬も11勝4敗と、終盤まで優勝争いを演じた。
近年、土俵はモンゴル勢に席巻されてきた。ここ10年59場所を見ても、53場所でモンゴル出身力士が優勝している。いわば、賜杯のたらい回しである。
今場所の千秋楽でも、優勝の目がなくなった白鵬が大方の予想通り、鶴竜に敗れた。モンゴル人横綱同士が千秋楽に対戦する場合、必ずと言っていいほど接戦にこそなっても、「まさか」の結末はほとんどない。今回もそれとまったく同じだった。日馬富士暴行事件でその存在が世間に知れ渡った互助組織「モンゴル会」がある以上、何かと支え合う彼らの牙城を崩すのは並大抵のことではないのだ。