関脇・逸ノ城 “ウドの大木”と消極相撲返上で初日から4連勝
もう「ウドの大木」なんて言わせない。
初日から負けなしの4連勝と波に乗っている関脇の逸ノ城(25)。16日の4日目は豊山を一蹴。幕内で最も重い225キロの巨体を生かし、前に前にと攻めて、難なく寄り切った。
引き技で勝った前日は「悪い癖が出た」とバツが悪そうだったが、この日は積極果敢な相撲で場内の歓声を浴びた。
この逸ノ城、かつては太りすぎに悩んでいた。新入幕の14年9月場所は199キロながら、俊敏な相撲で13勝2敗。しかし、その後は稽古嫌いと食べすぎがたたり、体重ばかりが増えて、「200キロを超えたら人間じゃない。馬ですよ」と、自虐していたほどだ。
一念発起して減量に努めるも、成績は上向かず。ここ3年ほどは勝ったり負けたりを繰り返し、伸び悩んでいた。それが今年に入るや、1月は10勝、3月は9勝。見違えるように、相撲内容も良くなった。ある親方は「巨漢の利点にやっと気付いた」と、こう話す。
「逸ノ城が勝てなかった原因は、体重ではなく消極的な相撲です。以前は自分の形である右四つになるまで前に出なかった。いくら200キロオーバーでも、動かなければ相手は重いと感じてくれない。これまでは下から押し上げられ、簡単に土俵を割っていた。今は前に出ながら巨漢ならではの圧力をかけつつ、自分の形に持ち込むようになった。上手の取り方も、肩越しからの深い位置ではなく、相手の差し手をおっつけながら浅く取るようになった。深い上手では力が入りませんからね」
もっとも、稽古量の少なさは相変わらず。この成績をいつまで続けられるか。