多くの副業をこなすことも豪州では前向きに受け止められる
過去に豪州Aリーグで成功した日本人選手の筆頭が、2005年にシドニーFCに移籍したカズ(三浦知良=横浜FC)と12―14年シーズンにウエスタン・シドニーでプレーした小野伸二(札幌)。この2人の代理人だったルー・スティッカ氏は「多民族国家である豪州で生き抜いていけるのは、海外の文化や習慣に適応できる人間です。ホンダはまったく問題ない。大成功するよ」と話した。メルボルン・ビクトリーFC移籍後、3試合で全4得点に絡む好パフォーマンスを見せている本田圭佑にも太鼓判を押した。
スティッカ氏が、カズの移籍に関わったのは13年前。日本から「大型ディール(売買取引)」が舞い込んだ。
「『日本で開催されるFIFAクラブW杯(CWC)にJクラブが参加しないので、カズを(CWCに出場する)シドニーFCに送り込んで注目度を高めたい。コストはすべて日本側が負担する』という耳寄りな話でした。カズが来てからの2カ月間、毎試合2000人の日本人が訪れた。また彼の高いプロ意識や優れた人間性にチーム全体が影響を受けました」
小野もオランダ時代のUEFAカップ(現欧州EL)優勝といった卓越した国際実績を武器にして、瞬く間に周囲の信頼を勝ち取ったという。