「ホンダは豪州で強固なビジネスのネットワークを得る」
ロシアW杯に出場した元日本代表MF本田圭佑が、豪州Aリーグのメルボルン・ビクトリーFCでデビューして以来、マスカット監督は「アウトスタンディング(傑出している)」という言葉を使い、その存在価値を絶賛し続けている。開幕3戦の全4得点に絡む活躍には、本田を「マーキープレーヤー(年俸制限のない大物外国人)」に選定し、推定2億円の高額年俸を共同出資した豪州サッカー協会とクラブ関係者も胸をなで下ろしているはずだ。サッカージャーナリストの元川悦子氏が、現地取材を通して本田の「現在地」を探った。
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Aリーグでは、集客増のためにマーキープレーヤーを1人獲得できる。
これまでFWカズ(三浦知良=横浜FC)、MF小野伸二(札幌)、元スペイン代表FWビジャ(ニューヨーク)らがいるが、史上最高年俸は推定3億円の元イタリア代表FWデルピエロだった。本田は彼よりも金額は低いとはいえ、所属クラブに加えて豪州協会も負担した初のケースだ。
「2013年6月の14年ブラジルW杯出場決定試合(埼玉)でのPK弾に象徴される通り、日本代表時代のホンダが豪州代表を相手に残してきた数々のインパクトは、あまりにも絶大です。それを協会側も高く評価したのでしょう」と元豪州代表DFで現在、同国プロサッカー選手選手協会のスタッフを務めるサイモン・コロシモ氏は言う。