貴景勝は勝ち越しも…大関昇進は“稀勢の里ケース”が障害に
大関昇進を狙う貴景勝(22)が23日、埼玉栄高の先輩・北勝富士を撃破。両者一歩も譲らない壮絶なぶつかり合いを制した。これで8勝3敗。直近2場所で22勝しており、大関昇進の基準となる「三役で3場所33勝」にぐっと近づいた。
しかし、角界はなぜか消極ムードだ。例えば、阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は先場所後、「可能性はゼロではないが」と前置きしつつ、こう話していた。
「(大関とりは)基本的に10番(10勝)が始まり。来場所、相当なことがない限り、大関とりはないでしょう」
貴景勝は先場所、13勝で自身初Vを飾ったとはいえ、その前の昨年9月場所は9勝止まり。今場所はそもそも、“大関とりのかかった場所ではない”というのが審判部の基本的な認識なのだ。
昨年、大関昇進を狙った御嶽海に対しても同様だった。昨年7月場所で優勝、5月場所と合わせて22勝としながら、翌9月場所では「内容が大きく加味される」(同審判部長)と条件を付けられた(結果は9勝で失敗)。