明豊・川崎監督に聞く 横浜エース及川をどう攻略したのか
「結局、なかったですが、実は(三回1死一塁の)4番の野辺のときに3ボールになってから待てを出して、結果的にフルカウントにしてしまった。そこは申し訳ないなと思いつつ、打ちたかったかもしれないけど、そこから左翼線に適時二塁打を打ってくれたので、選手に助けられました」
――一発勝負を勝つ上での最善策だと。
「リーグ戦であれば極端なことはしませんし、3―2から待ては出しません。あくまで一発勝負ですから、勝ち負けがかかっているときに三振か四球かで大きな違いが出る。相手投手の球種、打者の能力、フルカウントからのデータ上の選択球、それらを踏まえてですね。四球狙いがいいかどうかは別として、勝つ確率を上げることは常に考えている。自分たちより相手チームの力の方が上なら穴をほじくり返してでも勝ちたいという思いがある。高校野球は一発勝負。勝つか負けるかは時の運ですが、とくに横浜さんのような相手は思い切ったことをしないと勝てないと思っていました」
――守備のシフトも徹底していた。
「事前に情報を頭に入れ、試合中に指示するケースの方が多いと思います。長打を打てる打者、左で足がある打者、たとえば及川君についてはおっつけて打つタイプなので、そこは意識しました」