著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織圭を育てた盛田ファンド“脱アマチュア主義”の合理性

公開日: 更新日:

■アマチュア主義からプロ

 テニスに限らず、最近は日本選手の海外での活躍が話題だ。野球大谷翔平だけでなく、バスケットボールでは八村塁がNBAに1巡目で指名され、陸上100メートルではサニブラウン・ハキームが日本記録9秒97を出した。八村やハキームは外国人2世だからという人もいるが、そんな単純な話ではないだろう。どの競技でも、日本の指導者は基本を徹底的に叩きこむ。教科書通りに繰り返し教える。アマチュア主義だ。

 これまではそこで終わっていた流れが海外のプロにつながったのだ。情報化時代の今、若者に基本を叩きこむ作業は時間と手間がかかり、誰もやりたがらない。しかし基本は大事だ――。

 日本ほど子供の頃から野球の試合数をこなしている国はない。基本はバッチリ。この頃、高校野球の試合でメジャーリーグのスカウトを以前ほど見かけなくなったのは、しつけは日本に任せ、ある程度育ってから本場に連れて行く“楽な方法論”を完成させたからなのだ。

 錦織を生んだのは日本の土壌。しかし、フェデラーに立ち向かう世界ランク7位を育てたのは、彼我の現実をよく知った盛田方式の合理性だ。彼我の差をわきまえず、国内利権に奔走する競技団体を見直し、指導するのもスポーツ庁の仕事だろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    いとうあさこだけでない「育ちの良さ」が隠せない50代女芸人…“実家が太い”“隠れ高学歴”の強者も

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    ドジャース大谷の3年連続本塁打王に超強力ライバル…ベテラン2人が「新規大型契約」狙い目の色変える

  4. 4

    松本潤はやっぱり“持っている男”だった! 主演の7月期TBS日曜劇場はヒットの条件が勢揃い、「どうする家康」の汚名返上へ

  5. 5

    いとうあさこ「過去の不倫」告白もダメージゼロ! 本物の“お嬢様”が持つ愛され要素

  1. 6

    阪神藤川采配の奇々怪々…「佐藤輝明を三塁に固定、ヘルナンデスを外野で使うのが普通やろ」

  2. 7

    【スクープ!】元横綱白鵬が相撲協会に「退職届」を突きつけていた! あまりの自己チューぶりに「洗脳説」まで浮上

  3. 8

    備蓄米で不当に儲けている? ネットにあふれる「コメ高騰は卸売業者が元凶」ウワサの真偽

  4. 9

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  5. 10

    国民民主党ブームはジ・エンドか…玉木雄一郎代表「備蓄米は動物の餌」発言に批判殺到