著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織圭を育てた盛田ファンド“脱アマチュア主義”の合理性

公開日: 更新日:

 今年のウィンブルドンも3強で明け暮れた。それにしても錦織圭ロジャー・フェデラーの準々決勝は見応えがあった。錦織が得意のリターンで先手を奪うと、フェデラーが猛然と仕掛けた。いきなり12連続ポイントに、度肝を抜かれたファンも多いだろう。第2セットの獲得ポイントはフェデラー26に対し、錦織は8だった。

 この日、3強に挑戦した3人はすべて第1セット善戦で終わっている。フェデラーは試合前に錦織のリターン能力、バックハンドの技術とともに精神力の強さを挙げた。錦織自身「負けず嫌い」と精神力への自信を口にしたことがあるのだが、そんな選手でも、フェデラーを筆頭とする3強の前では正常心を忘れ、ミスを引きずり出される。

 試合はセンターコートで行われ、家族席に盛田正明氏の姿があった。錦織がテニス人生で最高の恩人とする育ての親は、ソニー創業者の盛田昭夫氏の弟、ソニー生命保険社長を務めた実業家だ。根っからのテニス愛好家で知られ、日本テニス協会の会長も務めた。

 盛田氏は、日本から世界に通用するテニス選手を育てようと、友人のマーク・マコーマックが創業したIMGの協力を得て育成ファンドを立ち上げ、フロリダに若き精鋭を送り込んできた。錦織が13歳から盛田基金でフロリダに渡ったことは有名で、今回は錦織の他にも西岡良仁、内山靖崇とファンド育ちが本戦入り、ジュニアでも望月慎太郎が勝ち進んでいる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主