開幕延期のプロ野球“行くも引くも地獄” 損害は100億円規模
元巨人投手コーチの評論家、高橋善正氏は「延期は仕方ないですが、選手のコンディションが心配です」とこう言う。
「全選手が20日の開幕に照準を合わせて調整していたはず。延期が決定しても、新たな開幕日は決まっていないわけで、いつになるか分からない幕開けに向けて、状態を上げていけ、あるいはキープしろ、というのは、簡単ではない。例えばなんとか4月3日に開幕できると仮定すると、その時点ですでに消化しているはずだった4カード計70試合をどこかに組み込む必要がある。大リーグばりの長期連戦を強いられる可能性があるが、今の選手は昔より間違いなくひ弱。通常の6連戦でさえ『きつい』と漏らす選手がいるのに、もしそれを大きく超える10以上の連戦が続くような日程になった場合、果たして耐えられるか。特に繊細な投手の調整は相当難しくなりますよ」
高橋氏が続ける。
「開幕前、投手は段階を踏みながらイニング数を増やしていきます。先発は1週間に1度の登板機会でも、投げる2日前、前日、翌日など練習メニューが違ってくる。それだけ投手は繊細です。過密日程になれば、必然的に救援投手も登板過多になるでしょう。今年は故障者が続出するという懸念が出てくる」