広島最下位で「金本監督」待望論 佐々岡采配に批判殺到
「このままチームを任せて本当に大丈夫なのか」
再び最下位に転落した広島周辺では、日増しにそんな声が大きくなっているという。
今季、2016年からリーグ3連覇を達成した緒方前監督からチームを引き継いだ佐々岡真司監督(52)だが、ここまで11勝17敗3分け。開幕から1カ月強で首位巨人には8・5ゲーム差をつけられるなど、波に乗れない。その最大の原因が佐々岡采配にある、というわけだ。
中でも、チーム防御率はリーグ5位の4・62と投手陣は壊滅状態。投手中心の守り勝つ野球を掲げながら、自ら「それができない」と頭を抱えている。広島OBで元最多勝投手の高橋里志氏は、「守護神候補だった新助っ人スコット(年俸5700万円)が6試合登板で防御率22・50と大誤算だった上に、中崎(27)や今村(29)ら実績のある救援陣が過渡期に入っている。開幕前に懸念していたことが、そのまま結果に表れてしまっています。多少の結果には目をつむって、塹江(23)や島内(23)ら、イキのいい若手に切り替えてもいいかもしれない。一部のファンからは『佐々岡じゃあ厳しい』という声を聞くのは事実ですが、シーズンは始まったばかり。性格的にも周りのコーチの意見を聞く耳もあると思うし、ここから巻き返してほしいですね」
と、今後の変わり身に期待をしているが、2―3で敗れた28日の中日戦で1点差ゲームは0勝5敗。引き分けの3試合も、すべて七回まで1点リードしながら継投失敗で追いつかれるなど、競り負けが多い。弱いチームの典型といっていい。
■大瀬良酷使で抹消
さらにコロナ禍で選手の調整遅れが懸念される中で開幕を迎えたにもかかわらず、エースの大瀬良を開幕から2試合連続完投させるなど、大きな負担を強いた。そのせいもあってか、大瀬良は24日のDeNA戦を2イニングで緊急降板、翌25日にコンディショニング不良で登録抹消された。
球界OBが言う。
「投手を引っ張りすぎての継投失敗はもちろん、リリーフは日替わり起用で一貫性がなく、このままでは投手がどんどん潰れてしまう。開幕から好投を続けているドラ1新人の森下も、そのうち壊れるんじゃないかと心配になる。いくら救援陣が手薄といっても、この分業制の時代に、先発した4試合の1試合平均球数は約120球。新人ですし、7月中に再調整目的で一度、登録を抹消されてもいる。決して無理をさせるべきではない。攻撃も、チーム打率・289とリーグトップながら、初回に先頭が一塁に出塁すると、2番打者に判で押したように犠打。投手に楽に投げてもらうためにまずは先制点を、という意図もあるのでしょうが、結果的に相手投手を助けているケースの方が多い。3連覇を達成した時のような、小技、足技を使った“いやらしさ”も薄れている。投打において課題は山積みです」
ファンの間では、佐々岡監督の試合後の談話にまで批判の矛先が向けられている。24日のDeNA戦で3連投の末にサヨナラ満塁弾を浴びた一岡を「(抑えは)気持ちが強くないと。こちらが託しているのでね」と責めた際も、「采配を棚に上げて、選手のせいにするな」とケチョンケチョンだった。