濃厚接触者も「特例」で五輪出場OK 専門家はPCR検査“偽装工作”の危険性を指摘
「例外」が乱発している。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、来週ついに東京五輪が開幕する。ギリギリまで中ぶらりんだった選手の感染に関する出場可否のレギュレーション。ようやく方針が決まったかと思えば、その中身は「濃厚接触者でも6時間以内に陰性なら出場できる」という驚きのウルトラCだった。
日本では濃厚接触者に認定された場合、14日間の待機が求められている。しかし、五輪選手に限り、濃厚接触者と判断されても原則、毎日のPCR検査、個室での滞在と宿泊、練習や試合を除く外出禁止、食事は自室で1人で取る、などの条件を満たし、6時間前の検査で陰性であれば試合に出場できるというのだ。
浜松市感染症対策調整監で、浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫氏は「1日前のPCR検査の結果は役に立ちません。結果の有効性は18時間程度。本来、濃厚接触者になった場合は14日間の隔離が必要ですが、それを破って外に出るのであれば、当日の結果が大事ということになります」と一定の理解を示しつつも「心配なのは、Ct値の感度です」と懸念材料を挙げた。