著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

パリ五輪のマラソン代表選考レース 曖昧なMGCから令和のドラマは生まれるのか

公開日: 更新日:

 友人のカメラマンが陸上大会で不快な思いをしたという。

 若いカメラマンに「だから昭和は……」と捨てゼリフを吐かれ、口論になったそうだ。現場にいないでよかった。乱闘になっただろう。かつて、明治は遠くなりにけりという嘆きを聞いたが、昭和はつくづく遠くなった。

 昭和のスポーツといえば、野球、相撲、マラソン。野球には大リーグという抜け道ができ、相撲は親方たちの知恵で独自の道を歩んでいる。電通が最後まで入り込めなかったのが角界だ。マラソンの道は険しい。

 来年のパリ五輪の代表選考レース、MGCの要項が発表になった。10月15日、国立競技場発着。男子は65人、女子は27人がエントリーした。過去2年の実績で出場資格を手にした総勢92人だが、どれくらいの人が選手の顔を思い浮かべるだろう。大迫傑川内優輝くらいではないか。

 MGCの趣旨は、揉めることが多い代表選考を一発レースで決めようというもの。決めるのは代表3人のうちの2人だから一発ではない。8月26、27日には世界選手権が行われ、直前の9月24日にはベルリンマラソンが開かれる。女子の日本記録を連発したベルリンのディレクターは、今春に大阪で開かれたAIMS(世界ロードレース主催者会議)で、期待の新谷仁美と大迫の名を挙げ、「あらゆる努力を払う」と話していた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???