安田大サーカス・団長安田さん トライアスロンのロング大会制覇を目指す
団長安田さん(芸人・49歳)
自転車好き芸人の安田大サーカス、団長安田さん(49)はトライアスロンの大会に出場している。やりたいことは国内ロング大会制覇。開催が迫るツール・ド・フランスの面白さも語ってくれた。
◇ ◇ ◇
番組の賞品でロードバイクをもらったのがきっかけでした。その時は乗り方さえわからなくて(笑)。周りにロードバイクを乗ってる人もいないし、空気の入れ方も普通の自転車と違うし、サドルも六角レンチがないと下げられない。面倒だからと自転車屋さんにママチャリとの交換を頼んだんです。
そしたら自転車屋さんが乗り方をわざわざ教えてくれた。だから、自転車屋さんがママチャリと交換してたらロードバイクにのめり込むことはなかったですね。それからどこに行くのも、だいたいロードバイク。夢中になったんですよ。
半径50キロ圏内は自転車で行き来してましたよ。僕は学生時代にサッカーをやっていたからか、下半身は強い方だと思います。通常は時速30キロ、道が安全なら40キロは出せます。仕事で幕張や神奈川県の海老名に行く時は自転車でした。小田原の方の遊園地での仕事の日も自転車で。時間には余裕を見て家を出ます。上りが多かったり向かい風が強いとスピードが変わって時間を食いますからね。
ロードバイクで東京を走る魅力は知らなかった道に出くわすこと。「こんな道があったんや」「ここの道を通るとこの通りに出るんや」と発見があるんです。都内って結構、道が入り組んでるんですよ。一つの角を曲がっただけで全然わからない景色に出くわす。変な話、迷子になるのも楽しい。
気軽に停車できるのも自転車の魅力。気になるお店があっても車だとすぐには止まれないし、オートバイも引き返せないですからね。
長い距離を走るほどに体の感覚が研ぎ澄まされる。ちょっと風が吹いたのを感じられたり、日陰がすごく快適に感じたり。携帯してある生ぬるい水がおいしかったり。それが楽しい。
6年ほど前に買った家には自転車のトレーニングができる部屋があります。Zwift(ズイフト)というバーチャルサイクリングのアプリは自転車とアプリが連動して仮想空間を自分のアバターが走れるので、それで練習しています。世界中の人とサイクリングもできるし、雨の日や夜中でもできるから便利。
トライアスロンを始めてもう10年以上ですが、今は水泳はプールで、ランニングは外を走り、自転車は家で練習というサイクルですね。
死ぬまでにやりたいことは国内のロングのトライアスロン大会の制覇です。1度有名なアイアンマンレース(スイム3.8キロ、バイク180.2キロ、ラン42.2キロ)の北海道大会に出場し、完走できたので、他の国内大会にすべて出場して完走したい。50代になる自分の年齢との闘いでもあります。
トライアスロンの世界で有名な稲田弘さんはハワイで行われるKONAというアイアンマン世界選手権の完走の最高齢記録(86歳)を持っておられます。世界中の憧れのKONAは出場権を獲得する必要があり、年齢別で出場できるから、僕も年齢を重ねてもやめずにレースキャリアを積み続ければ60代、70代でいつか出られるかもしれない。KONA出場も死ぬまでの目標です!
稲田さんは90歳の今年もレースに出続けておられ、僕は「いつか稲田さんを年齢で超えたい」と思っています。
実は稲田さんと練習したこともあるんです。当時80歳くらいで、スピードは僕の方があったけど、同じメニューをこなされたのはやはりスゴい。というかエグい。稲田さんを超えるには長生きして死ぬまでトライアスロンをやるってことですね。
今年、久しぶりにレースにエントリーしましたが、仕事のスケジュールの都合でキャンセル。いろんな理由で今年はロングの大会に出られそうにないから、目標達成には時間がかかります。出場するからには「ギリギリ完走できるかなあ」くらいのコンディションではケガもしやすいし、危険ですから、出るからにはしっかり練習しないと。僕は1度、落車で大ケガをして周りに迷惑をかけてますので。