箱根駅伝は青学大の優勝で幕を閉じたが…出場選手に残された「もう一つの大仕事」

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「箱根は区間約20キロ。中17日もあれば疲れは取れる」(陸上関係者)という声がある一方で、「選手は疲労を取るのが精一杯で大会へ向けての調整なんて無理です」(箱根常連校のOB)と、故障を懸念する者もいる。

 そもそも箱根駅伝は、第5回ストックホルム大会(1912年)など、3度の五輪で惨敗した「日本マラソンの父」こと金栗四三氏が、「世界に通用するランナーを育成したい」という想いから創設したと言われている。それがこの国は、ロードレースの時期になると全国のあちこちで大小の駅伝大会が開催され、箱根駅伝は正月の風物詩とまでいわれる大人気のイベントだ。今年も平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は往復で平均27.1%を記録した。駅伝ばかり栄えて、五輪や世界選手権のマラソン成績はさっぱり。あの世で「マラソンの父」は、「駅伝なんて五輪種目にないぞ。マラソンはどうした!」と怒っているに違いない。

 国内マラソンの主要大会である12月の福岡国際に有望選手が出てこないのは、元日に実業団の駅伝があるからに他ならない。

「駅伝がマラソンをダメにしている」

 そう言われなくなるのは、箱根を走った選手が五輪でメダルを手にしたときではないか。

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