がん治療
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「血液型」でがんのリスクが予想できる時代が近づいている
血液型の発見は1901年(文献によっては1900年)、病気との関連について研究が始まったのが1920年ごろからです。当初は結核、ジフテリア、発疹チフスなど、感染症との関係について調べられていましたが、1950年代に入って、がんに関す...
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「高齢者のがん治療」知っておきたい16のポイント 静岡がんセンター山口建総長が解説
健康保険では65歳以上75歳未満を「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」と区分している。2010年の統計では、全てのがん患者の41%が後期高齢者で、29%が前期高齢者。つまり、がん患者の70%が高齢者だ。高齢者のがん治療において...
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切除不能の「ステージ3肺がん」は最新の免疫放射線療法で根治へ
がんは、手術と放射線、抗がん剤が3大治療。そこに2014年、世界初の免疫チェックポイント阻害剤オプジーボ(一般名ニボルマブ)が加わった。以来、免疫チェックポイント阻害剤は開発が進み、今やさまざまながん治療に応用されている。その進化系...
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「霊水」ががんに効くとは思えないが…担当医に相談してほしい
もう50年も前になりますが、ハイキングで北海道の恵山に行ったことがあります。暑い中、長い道を歩いて行くと、岩間からきれいな清水が流れていました。飲めると聞いて、口にした時の冷たさ、おいしさに、思わず「生きた!」と叫んで、水筒の中の水...
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小腸はがんが少ない 腸捻転で手術した友人からのメールで浮かんだこと
先日、昔からの友人であるYさんからメールが届きました。これまでは年に1回くらい一緒に食事会をしていたのですが、コロナ流行があってここ2年以上は会っていません。電話では、よく長い時間話されるのですが、メールが来たのは初めてです。こんな...
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杉田あきひろさんは躊躇も…喉頭がんは治療の代償が病期で大きく変わる
喉が商売道具のプロですから、ひるむのは無理もないかもしれません。NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の元うたのお兄さんとして知られるボーカリストの杉田あきひろさんが、「(喉頭がんの放射線治療を終えても)今のレヴェルで歌を歌える保証...
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いまも思い出す父のありがたい親心 勝新太郎さんの父親も…
私が大学生だった頃の夏休みに、国鉄の職員だった父に頼んで、線路工事の手伝いをさせてもらったことがありました。 昼の暑い日差しの下、線路工手の方が線路に敷いた枕木を相手につるはしを振り下ろす姿に、私はある種の憧れを持っていまし...
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ホコリがつく千羽鶴は白血病患者の病室には持ち込めないと言われ…
ある日の夕方、女子高生のS子さん(16歳)は、コーラス部での活動を終えてから同級生のAさんと一緒に帰路につきました。 その途中、Aさんが急にしゃがみ込んで、めまいを訴えました。S子さんはスマホでAさんの母親に連絡し、そのまま...
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秋野暢子さんは診断まで半年超 喉の受診は耳鼻科と消化器科をセットで
ステージ3の食道がんを治療中の女優・秋野暢子さん(65)がブログを更新。がん診断までのいきさつを明らかにしています。その内容は、読者の参考になるかもしれませんので、ご紹介しましょう。 秋野さんは毎年人間ドックを受けていて、昨...
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大腸がんで亡くなった島田陽子さんは積極的な治療を拒否 せめて原発部位の切除だけでも…
女優の島田陽子さんの訃報を聞いて、皆さんはどう思われたでしょうか。まだ69歳の若さで、大腸がんによる多臓器不全だったといいます。報道によると、3年前に大腸がんを発症。入退院を繰り返していたものの、がんの進行が遅かったそうで、手術や抗...
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がんとの共生に「抗がん剤」は必ずしも必要ない 在宅医療の名医が語る「薬」と「延命」
日本人の2人に1人が一生に一度がんになり、最近では年間100万人以上が新たにがんを発症するといわれている。そのため巷にはがんに関するさまざまな情報があふれているが、過去の誤ったがん常識ががんでも長生きするチャンスを奪う場合も少なくな...
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がん治療における東洋医学の役割は? 再発対策としても注目
東洋医学ではがんを含む全ての病気の発症は、「邪気」と「正気」が戦い、正気が負けたためだと捉えています。邪気は、各病気の原因や悪化因子、正気は、健康を維持し病気から体を守る免疫力などを指します。 現在、西洋医学のがんに対する治...
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同じがん、同じステージなのに…なぜ自分だけが再発したのか
Rさん(46歳・男性)は、農業に従事されていてお米を作っています。 体の症状はとくになかったのですが、胃の検診で要精査と言われ、病院で検査を受けたところ胃の出口付近にがんが見つかりました。がんは胃粘膜から筋層、胃の壁に及びま...
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佐野史郎さん多発性骨髄腫との闘いを語る「一度は生きることを諦めかけて…」
入院中に「敗血症」を起こして高熱が1カ月以上続き、日に日に衰弱してしまい、あの世の入り口みたいな夢をみるようになったのです。正直、「これはもうダメなのかな」と思いました。 始まりは去年4月、熊本映画祭のトークイベントが終わっ...
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がんになると必ずがんで亡くなるわけではない 心臓のチェックを定期的に
がんになると、がんで亡くなる。一般の方は、そう思っているかもしれませんが、必ずしもそうではありません。心不全や脳卒中などの心血管病に注意することが必要なのです。 米ジョンズ・ホプキンス大の研究によると、対象は1万2414人で...
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「子は宝」 小児がんは早期診断・早期治療がとても大切
街を歩くと、抱っこ紐で赤ちゃんを胸に抱いた母親を見かけます。いつの頃からか背中におんぶした姿はまったく見かけなくなりました。 小さな子と手をつないで歩く母親にも出会います。ひとりを抱っこして、歩ける子は手をつないで、2人を連...
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秋野暢子さんが告白した食道がんで厄介なのは「咽頭との重複」
女優の秋野暢子さん(65)が、がんの治療で活動を休止するとの報道がありました。事務所の発表や本人のブログなどによると、頚部食道がんの重複がんで、今週中に治療方針を決めるとのこと。「ポジティブで暢気な性格なので、落ち込むこともなく、闘...
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末期がん患者は「在宅医療」の方が幸せという現実 年間200人超を看取る名医が語る
2020年の日本の総死亡者数は137万2755人。うち37万8385人はがん死だ。その多くは病院で亡くなる。しかし、その中には自宅で最期を迎えることを希望している人もいるはずだ。自宅でのがん死はどうなのか? 年間200人超の看取りを...
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「毎日、体のどこかが痛い」と訴えるひとり暮らしの患者の心境
悪性リンパ腫が完全寛解してから4年がたつYさん(75歳・女性)はひとり暮らしです。 先日、定期検診で来院されたとき、こんなお話をしました。 「先生、畑に出ると疲れ方が60代の頃とは違うね。70過ぎてから、まったく違う。...
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葛城ユキさんはステージ4 腹膜がんは取り切れなくても減量手術を
パワフルな歌声が印象的な歌手の葛城ユキさん(本名・田中小夜子)の訃報が伝えられました。享年73。死因は、腹膜がんです。 腹膜は、胃や肝臓など腹部にある臓器の全体ないし一部を覆っている半透明の膜で、総面積は1.7~2.0平方メ...
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強いストレスが急激にがんを進行させたのではないか
「ストレスとがんの関係」についてたずねられると、Y医師のことを思い出します。 東日本大震災の発生(2011年3月11日)から3カ月後だったと記憶しています。被災した病院に勤務するY医師が私を訪ねてきました。 Y医師は、...
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子宮頸がんの放射線治療は手術の先か後か 広島で後遺症を巡る裁判が
放射線治療を巡るトラブルが報じられました。広島の女性(70)が、呉医療センター・中国がんセンターで子宮頚がんを切除。術後に放射線治療を受けたところ、正常部位の小腸にも照射されたため、放射線性腸炎を起こし食事ができず、点滴での栄養補給...
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大腸がん、小児の鼠径ヘルニア、包茎…新たな分野にチャレンジ
同じ病気であっても、患者さんによって症例のバリエーションはさまざまです。手術は入院を伴うもの一択ではなく、日帰りが可能なケースもあり、それによって得られるメリットがあることを、国、医療関係者、一般の方全てに伝えていきたいと考えていま...
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脳梗塞による左麻痺が起こった原因は隠れた膵臓がんだった
Bさん(58歳・男性)は、昨年の会社の健診で肝機能異常を指摘されたのですが、病院を受診していませんでした。以前、脂肪肝と言われたこともあり、きっとそのせいだろうと思っていたことに加え、コロナの流行が下火になってから受診したいと考えて...
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甲状腺がんは「早期発見・早期治療」が死亡率減少につながらない
女性に多い甲状腺がんは、喉仏の下辺りにある甲状腺にできるがんだ。この甲状腺がんの近年のトピックスについて話すのは、甲状腺がんの外科治療を専門とする日本医科大学内分泌外科の杉谷巌教授。 「甲状腺がんに関しては、早期発見・早期手術...
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直腸がんで手術6回の坂本龍一さんを深掘り「一がん息災」の重要性
YMO以来のファンとして衝撃を受けました。教授の愛称で知られるミュージシャンの坂本龍一さん(70)が、ステージ4の直腸がんであることを公表したことです。それが見つかった経緯もショッキングで、国内外で話題を呼んでいます。 病状...
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個々のがんに合った薬剤「抗体薬物複合体」の開発が進んでいる
がん薬物療法を大まかに説明します。 「抗がん剤」はがん細胞だけではなく正常細胞の核のDNAにもダメージを与えるので、白血球が減るなどの副作用が多く見られます。その後、開発された「分子標的薬」は、がん細胞の中にある増殖に関わる因...
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がんで亡くなった旧友の病気を知っていたら役に立てただろうか
旧友であるM君の奥さんからハガキが届きました。そのハガキには寅さんがカバンを持って歩く姿が印刷されています。そして、こう書かれていました。 「あの世から(帰ってくる)といって永遠の旅に出かけました」 「地域医療に励み……...
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2羽のツバメは再発を心配するがん患者の心を救ったのか
十二指腸がんで3年前に手術を受けたCさん(70歳・男性)のお話です。 がんはすべて取り除くことができて、担当医は「大丈夫。定期の検査だけはしましょう」と言ってくれています。それでも、手術前に比べて体重が10キロほど減ってしま...
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妻には言えても医師には言えない…がん患者の心中
73歳のKさん(男性・定年退職後)は胃がんの手術をしてから2年が経ちました。すでに再発予防のための抗がん剤治療は終わっていて、その後の経過を診てもらうために手術した病院へ3カ月ごとに通院しています。 2カ月ほど前から、時々背...