白血病や悪性リンパ腫に対して1回だけで済む治療法がある
新型コロナの流行が続いてもう3年になります。マスクの着用、手の消毒はやっていても、人流を制限しないで、本当に大丈夫なのだろうか?毎日、夕方のテレビで報じられる感染者数も気になりますが、亡くなる方がたくさんおられます。この冬に向けて大丈夫なのか、国の対策は万全なのかとても心配です。
私は、がん専門医として抗がん剤治療に明け暮れてきました。40年前、私たちは「30年後、あるいは40年後には、がんは解決しているだろう。きっと40年もたったら、すべてのがんは薬で治る時代になっているだろう。私たちのがん治療の仕事はなくなる」と、そんな漠然とした夢を描いていました。
急性白血病になった患者さんには、我慢して、我慢して治療を受け、治った方もたくさんおられます。残念ながら亡くなった方もおられます。白血病を克服し、その後、抗がん剤治療の影響がなくなって卵巣機能が回復し、妊娠、出産を経てお子さんに恵まれた方もたくさんおられます。慢性白血病では内服治療で効果のある方は、長期生存が可能となりました。
しかし、すべてのがんはそう簡単には治ってくれません。固形がんで、手術で切除できればいいのですが、進行したがんでは、転移があってそのようにはいかないことも多くあります。