本の森
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「鍋かむり日親」理崎啓著
戦後の文学・芸術運動においてユニークな評論活動を続けた花田清輝の生前最後の本は「日本のルネッサンス人」である。西洋のルネサンス論を論じた「復興期の精神」でデビューした花田が日本のルネサンス論で幕を閉…
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「ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿」佐藤満彦著
新型コロナウイルスの感染拡大を受けてカミュの小説「ペスト」が異例の売り上げを示しているという。古来、ペストは断続的にヨーロッパを襲っている。14世紀のパンデミックでは人口の3分の1がペストによって失…
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「義理と人情の経済学」山村英司著
立ち食いそばチェーンの「名代富士そば」は従業員の貢献以上の給料を支払い、アルバイトにもボーナスを支給するという。そんなことをすれば人件費が高騰して経営を圧迫するというのが経済学の常識だ。ところが実際…
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「毒薬の手帖」デボラ・ブラム著 五十嵐加奈子訳
「突如として白いマスクだらけになった通り……劇場や酒場、ダンスホールなど、人が多く集まる場所へは行かないように注意を呼びかけられた。劇場ではすべての窓を開け放っておかなければならず、閉めてあるのが警察…
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「夢の正体」アリス・ロブ著 川添節子訳
レオナルド・ディカプリオ主演の映画「インセプション」は、他人の夢の中に侵入して記憶を盗む企業スパイたちを描いたものだ。他人の夢をコントロールするのはまだSFの次元だが、自分の夢ならコントロールできる…
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「女であるだけで」ソル・ケー・モオ著 吉田栄人訳
ラテンアメリカ文学といえば、ガルシア・マルケス、バルガス・リョサ、オクタビオ・パスといった名前が浮かぶが、いずれもスペイン語を母語とし、作品もスペイン語で書かれている。本書は、〈新しいマヤの文学〉と…
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「ワンダーウーマンの秘密の歴史」ジル・ルポール著、鷲谷花訳
ワンダーウーマンはスーパーマン、バットマンと並ぶDCコミックスのスーパーヒーロー。2017年に公開された映画「ワンダーウーマン」は全世界興行収入8億ドルを超える大ヒットとなるなど、いまだ根強い人気を…
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「動物に『心』は必要か」渡辺茂著
著者は、ハトにピカソとモネの絵を見せて区別させることに成功し、1995年にイグ・ノーベル賞を受賞した。実験箱にハトを入れてからピカソとモネの絵を10枚ずつスクリーンに映写。ピカソの絵が映写されたとき…
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「国会をみよう」上西充子著
1960年5月19日、時の岸内閣が日米新安保条約を強行採決。これをきっかけに安保反対闘争が一気に拡大し、連日、国会に抗議デモが押し寄せた。6月4日、安保反対のデモの中に「誰デモ入れる“声なき声”の会…
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「自己免疫疾患の謎」アニータ・コース ヨルゲン・イェルスター著 中村冬美、羽根由訳
現在、世界中を不安に陥れている新型コロナウイルスだが、細菌やウイルスなどの異物が体に侵入した際に防御する免疫機能が弱まると、重篤症状を引き起こすことが知られている。著者はこのシステムを国境警備隊に擬…
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「痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社会学」牧野雅子著
「痴漢は犯罪です」のコピーを配したポスターが登場したのは1995年。このポスターは大きな反響を呼んだが、逆に言うと、それまで痴漢は犯罪と見なされていなかったということを示している。 本書は、ま…
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「戸籍が語る古代の家族」今津勝紀著
現行の戸籍は、戦前が「家」を基本単位としていたのを「夫婦」を基本単位に変更し、併せて華族、平民といった身分事項の記載も廃止された。しかし、事実婚、夫婦別姓、同性婚といった新しい動きに戸籍の記載がどう…
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「舌を抜かれる女たち」メアリー・ビアード著 宮崎真紀訳
本書のカバーには、オウィディウスの「変身物語」の挿話を題材としたピカソの絵が飾られている。トラキア王のテレウスが義理の妹のピロメラを犯している場面だ。細い線のみで描かれたエッチングだが、組み敷かれて…
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「われらみな食人種(カニバル)」クロード・レヴィ=ストロース著 渡辺公三監訳 泉克典訳
1997年9月、英国のダイアナ妃の葬儀において、弟であるスペンサー伯爵が弔辞で、残された2人の甥と自分は強い絆で結ばれていると述べた。著者はこれを枕に、ラドクリフ=ブラウンの母方オジの重要性に光を当…
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「証言 治安維持法」NHK「ETV特集」取材班著 荻野富士夫監修
2018年5月、治安維持法違反の罪に問われた人やその家族、支援者たちが、国による謝罪や賠償、実態調査を求める国会請願を行った。前年、テロ等準備罪が成立し、治安維持法との類似が指摘されていたさなかの行…
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「女たちのシベリア抑留」小柳ちひろ著
アジア太平洋戦争の敗戦後、満州、北朝鮮、樺太、千島列島からソ連とモンゴルの収容所に抑留された日本人はおよそ57万5000人。この抑留体験をつづったものに高杉一郎著「極光のかげに」、内村剛介著「生き急…
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「大きな字で書くこと」加藤典洋著
昨年5月16日、71歳で亡くなった文芸評論家・加藤典洋の遺著。加藤はパソコンを使う以前はB6判の400字詰め原稿用紙に小さい字で書いていたという。 パソコンに移行してからも小さいポイントの文…
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「宮沢賢治 デクノボーの叡知」今福龍太著
1921年1月23日、25歳の宮沢賢治は家出して上京するが、8月、妹トシの病気の知らせを受け急きょ、花巻に戻る。この半年余りの家出は賢治の大きな転換点とされ、以後、数多くの童話や詩が書かれていく。そ…
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「クモの奇妙な世界」馬場友希著
クモというと、何となく気味悪がられることが多いが、イメージばかり先行してその実態は案外知られていない。本書は、そうした「クモを知らない多くの方々に、クモに親しみを持ってほしいという願いを込めて」書か…
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「記憶する体」伊藤亜紗著
「幻肢痛」とは、手や足など体の一部を切断した人や麻痺(まひ)のある人が、存在しないはずの手や足をあたかもあるように感じ、その感覚に伴う激しい痛みのことだ。原因は「動くだろう」という脳が記憶している手や…