本の森
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「レンマ学」中沢新一著
21世紀もすでに20年目になり、AI(人工知能)が人類の知能を超える転換点、シンギュラリティー(技術的特異点)が到来するであろう2045年も射程圏内に入ってきた。シンギュラリティーに関しては否定的な…
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「彼岸の図書館」青木真兵、海青子著
奈良県東吉野村。周囲は一面の緑で山を縫うようにして細い道路が走り、その道路沿いを流れる川の向こう岸に「人文系私設図書館 ルチャ・リブロ」がある。「こんな山深いところに図書館?」と驚かされるが、本書は…
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「ナウシカ考」赤坂憲雄著
傷ついた王蟲(オーム)の子どもとともに猛り狂う王蟲の群れの中に身を投じ、王蟲の金の触手に癒やされて蘇る青い衣の少女戦士――アニメ版「風の谷のナウシカ」は、崇高な自己犠牲を高らかにうたって幕を閉じる。…
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「なぜならそれは言葉にできるから」カロリン・エムケ著 浅井晶子訳
激しい粛清の嵐が吹き荒れる中、レニングラードの刑務所に収監されたロシアの詩人、アンナ・アフマートヴァは、彼女が詩人であると知っていた青ざめた唇の女性からこう囁かれた。「じゃあ、あなたがこれを言葉にし…
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「タネの未来」小林宙著
2018年4月、稲、麦、大豆等の主要作物の種子開発を地方自治体に委ねることを定めた「種子法」が廃止され、民間企業の参入が認められた。続いて農家による種子の自家増殖の制限を強めようとする「種苗法」の改…
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「クオーレ」デ・アミーチス著 和田忠彦訳
「アペニン山脈からアンデス山脈へ」――アニメでもお馴染みの「母をたずねて三千里」の原題だ。本書にはその原作が収められている。クオーレ(クオレ)という本の名前は知っていたが、子どもを題材とした悲しい物語…
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「ヒトラーの時代」池内紀著
去る8月30日、ドイツ文学者の池内紀さんが亡くなった。78歳だった。池内紀の名前を知ったのは、法政大学出版局から出ていた「カール・クラウス著作集」の第9・10巻「人類最期の日々」の訳者としてだったと…
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「絶望の林業」田中淳夫著
近年、「林業の成長産業化」ということがいわれている。日本の林業というと、専業従事者が高齢化し後継者不足、森林面積は減少傾向……。そんな斜陽産業の印象があった。 ところが今、木材自給率は上昇し…
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「原子力時代における哲学」國分功一郎著
「いかなる仕方で、この途方もないエネルギー(原子力)が――戦争行為によらずとも――突如としてどこかの箇所で檻を破って脱出し、いわば『出奔』し、一切を破壊に陥れるという危険から人類を守ることができるのか…
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「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」北村紗衣著
書店の店頭でこの本を目にしたとき、タイトルに引かれた。これはイギリスの古い童話の歌詞、「女の子って何でできてるの? お砂糖とスパイスとあらゆるすてきなもので」からとったものだそうだ。でも、著者はこの…
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「分解の哲学 腐敗と発酵をめぐる思考」藤原辰史著
開巻劈頭、「掃除のおじさんに」という献辞があるが、序章を読んで納得。著者がかつて住んでいた集合住宅には、毎朝、掃除のおじさんがやってきていた。ゴミ捨て場の整理が終わると各階の共用通路を掃除する。デッ…
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「世界戦争の世紀20世紀知識人群像」桜井哲夫著
本書冒頭に驚くべき数字が紹介されている。16世紀以降の500年間の戦死者の合計は4620万人で、そのうち20世紀の戦死者が全体の65・8%、50年までの前半だけでも57・6%を占める。第1次と第2次…
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「解読 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』」橋本努著
先の国連の気候変動サミットで、スウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリが、温暖化対策に手をこまねいている各国の首脳に対して、温暖化による気候変動で生態系が崩壊しつつある現在、「あなた方が話すこ…
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「現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。」吉岡乾著
“フィールドワーク”という言葉には、なんとはなしにロマンチックな響きがある。見知らぬ地に入り込み、現地の人びとに接してその独自の文化を観察し分析する……。 しかし、実際の現場はそんな甘いもので…
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「親子で楽しむ和算の図鑑」谷津綱一著
江戸時代の和算は、世界的にもかなり高度なレベルに達していたといわれている。伊能忠敬が精密な日本図を作成できたのも、算聖といわれた関孝和の流派、関流のメンバーたちの数学的な支援があってのことだといわれ…
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「グスコーブドリの太陽系」古川日出男著
宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」は、賢治の農民への献身と自己犠牲による救いが描かれた童話だ。冷害に苦しむ農民たちを救うため、主人公のブドリが火山を人為的に爆発させて温室効果をもたらすというもの。 …
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「世界の書店を旅する」ホルヘ・カリオン著 野中邦子訳
ロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープ主演の映画「恋におちて」は、クリスマスイブの夕刻、ニューヨークの老舗書店リゾーリのレジの前でぶつかった男女の本が入れ替わってしまうところから物語が始まる。メグ…
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「記者と国家」西山太吉著
立法・行政・司法の3つの権力に並び、マスメディア、ジャーナリズムは第4の権力といわれてきた。しかし、現況の新聞・テレビの報道ぶりを見ると、他の3つの権力と相対峙するのではなく、核心に迫るのを避けてい…
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「赤ちゃんはことばをどう学ぶのか」針生悦子著
2020年度から小学校の英語教育の大幅な改革が予定されている。これまで5、6年生が「活動」として英語を学んでいたのが3、4年生に引き下げられ、5、6年生は英語が正式な教科となり、「聞く」「話す」に加…
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「酒天童子絵巻の謎」鈴木哲雄著
鬼退治といって、すぐに思い浮かぶのは桃太郎、一寸法師だろうが、同じ御伽草子の中の大江山の酒天(呑)童子の話もまた鬼退治ものとして昔からよく知られている。桃太郎、一寸法師に関しては、「小さ子」という観…