紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実
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<161>遺言無効裁判の第1回口頭弁論で和歌山市へ…記者の入れ替わりを憂う
2020年の6月9日の午前10時から和歌山市の裁判所で、野崎幸助さんの遺言無効裁判の第1回口頭弁論が開かれることになっていた。私は前日の8日に南紀白浜空港に降り立つ渥美・松永両弁護士を迎えに行き、3…
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<160>早貴被告と弁護士らを追い込む妙案 「会社法違反」と「詐欺罪」で刑事告訴
「正面突破で刑事告発をしましょう」 コロナ禍で騒がしい2020年5月の連休が終わってから、早貴被告とその弁護士たちを逮捕させる手段として松永弁護士から提案があり、素案を見せてもらった。 …
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<159>「業務に支障」「不利益を被る」情報公開を拒否する田辺市の言い分
野崎幸助さんの遺産をめぐる裁判に1億8500万円もの巨費を投じる田辺市のやり方に疑問を持った私は、「市民オンブズマンわかやま」の事務局長・畑中正好氏に連絡を取った。彼は長年和歌山市でオンブズマンの仕…
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<158>野崎幸助さんが残した「遺産リスト」は突っ込みどころ満載
田辺市は2018年9月に和歌山家庭裁判所田辺支部で行われた遺言の検認によって、野崎幸助さんの遺産を受け入れられる立場になった。ただしこれは、遺言が形式にのっとったものだと認められたというだけのことで…
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<157>巨額な裁判費用を予算計上した田辺市 弁護士との契約はブラックボックス
2019年9月に田辺市は、野崎幸助さんの遺産を受け取ることを表明し、裁判費用として約6500万円(!)の予算計上を議会が承認した。私はこの金額に納得ができなかった。そもそも当時の田辺市には顧問弁護士…
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<156>野崎さん宅の掃除機から覚醒剤検出 新型コロナウイルスは捜査の動きを遅らせた
2020年の1月下旬に野崎幸助さんの自宅にあった掃除機から覚醒剤が検出されたということが分かった。私は事件が動きだすと読んでいたが、ストップがかかってしまう。中国の武漢で新型コロナウイルス感染症が流…
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<155>捜査員が注目する「掃除機」は社長が亡くなる前、早貴被告が購入していた
2020年の1月下旬に捜査員がそれまでと違う動きを始めたことで、いろいろなところから連絡が来るようになった。 「掃除機の写真を見せられて、使っているのを見たことがありますか? と聞かれました」…
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<154>早貴被告の呆れた無神経さ…焼き肉店で1人だけ締めのご飯とデザートを
肉好きの早貴被告をマコやんと一緒に田辺市内の高級焼き肉店に誘ったことがあった。 「遅くなって申し訳ありませんでした」 用事があった私は、マコやんに30分ほど遅れていくと連絡して、先にや…
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<153>早貴被告の「新宿で看護師の姉と同居」もウソだった
職業柄といえばそうであるが、私は相手の話に矛盾点があればそこを突いていくというクセがある。しかも速射砲のように質問を畳みかけていくので、相手はタジタジになってしまうことも少なくない。 姉のこ…
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<152>早貴被告は野崎さんの死も無感情で傍観者のように振る舞った
尾崎太郎県議は早貴被告を評する時に「無感情」という言葉をよく使った。彼女の大きな黒目は感情を表す動きが感じられず、私も、今まで出会ったことのない生き物だという気がしていた。 「キミが社長に毒を…
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<151>尾崎太郎県議はドン・ファンが亡くなった翌々日に野崎さん宅を訪問した
「社長が覚醒剤を使うことはないのに、なんでそれが体内から出てきたのか、不思議なんです」 野崎幸助さんが亡くなった翌々日、野崎さん宅を訪れた尾崎太郎県議に向かって木下さんは早口で説明をしたが、早…
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<150>ドン・ファンの流儀 初対面の県議にデートの仲介を要請
「ホテル川久」で初めて顔を合わせた朝食の席で、野崎幸助さんは尾崎太郎和歌山県議に「日産自動車」株についての意見を求めていた。 「まあ、大手ですから株価の変動はそれほどないでしょうから、よろしいん…
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<149>ドン・ファンの個人資産は凍結…大口の「日産自動車」株も塩漬けに
「確実に儲かる推薦株はないですかね」 私は生前の野崎幸助さんから何度か株投資の相談を受けたことがあった。自伝を作る際にドン・ファンとは何度も会って世間話もしていたが、優良銘柄の話題に触れること…
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<148>「きょう捜査員が来ましたよ」和歌山県議・尾崎太郎氏からの連絡
「ドン・ファン事件の動きがないなあ。犯人は逮捕されるの?」 過払い金事案の調整や野崎幸助さんの遺言のウソへの対抗策が一通り固まった2019年の夏すぎになると、このように知人たちから聞かれること…
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<147>早貴被告が乗り込んだ不審なワンボックスカー 自宅とは反対方向に…
2018年暮れの早貴被告の追跡は徒労に終わったが、彼女の不審な行動は他にもある。この3カ月ほど前の9月半ばのことだった。 「早貴ちゃんが会社近くで知らない車に乗ったんやって」 東京の自…
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<146>早貴被告が運転するベンツは時速150kmの猛スピードで大阪方面に向かった
アプリコでの会合は夕方遅くに終わった。早貴被告が運転するベンツは、野崎幸助さんの自宅脇の駐車場を出てバイパスで北に向かい、途中の南紀田辺ICから高速道路に入って大阪方面にハンドルを向けた。途中で誰か…
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<145>「アプリコ」の株主総会は2018年12月に再び開かれた
「お疲れさまでした。どちらの社ですか?」 早貴被告たちが野崎幸助さんが眠る墓地から姿を消した後、私は現場にいた記者たちと名刺を交換した。 「ほう、読売の大阪ですか」 「ええ、そうで…
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<144>野崎幸助さんの一周忌法要での早貴被告は顔が明らかに違っていた
早貴被告は野崎幸助さんの一周忌法要が始まる10分ほど前に1人でタクシーに乗ってきたが、マスク姿で境内の奥まで入ってから降車したので、誰も写真に収めることはできなかったみたいだった。 「行くぞ」…
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<143>早貴被告の近影を狙って…前日に田辺入りし、一周忌法要の会場を下見
「へえ、早貴は二度と田辺には来ないって言っているんですか。逮捕されたら田辺の留置場暮らしになるし、どっぷり住むことになるでしょうにね」 皮肉たっぷりに言ってやった。 「そうやな。それがい…
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<142>「二度と田辺には行きませんから」早貴被告はいやいや一周忌を行った
「野崎幸助さんの一周忌はいつですか?」 2019年5月になって、マスコミの記者たちから電話が来るようになったのは、5月24日が命日だからである。 「分かりませんよ」 知っていても…