<158>野崎幸助さんが残した「遺産リスト」は突っ込みどころ満載
田辺市は2018年9月に和歌山家庭裁判所田辺支部で行われた遺言の検認によって、野崎幸助さんの遺産を受け入れられる立場になった。ただしこれは、遺言が形式にのっとったものだと認められたというだけのことである。前述しているが、市が受け取れると確定したわけではない。
田辺支部には、野崎さんが残した不動産や通帳などの遺産のリストが提出されていた。作成したのは、19年1月に裁判所が任命した和歌山市の相続財産管理人のK弁護士だ。
■ルノワールもシャガールも1万円
私はこの文書にも目を通していたが、ルノワールやシャガールの絵の鑑定が1万円というものであったので驚いた。絵画の鑑定は全くなされておらず、記載されている1万円は額縁の値段らしい。通帳の数も異なっているし、ドン・ファンが所有していたウン百万円もする高級時計やダイヤモンドをちりばめたカフスなどの貴金属類の記入も皆無だった。「あれはどこに消えたの?」「一体どうなっているの?」と突っ込みどころ満載のリストであったが、これは大阪のアプリコの顧問会計士の言い分をそのまま載せただけのものだ。