人気絶頂期にあっさり芸能界を寿引退した内藤洋子
<1971年3月>
くりっとした瞳、広いオデコ、長い黒髪……。60年代後半、10~20代の男性たちに圧倒的な支持を受けていた内藤洋子が3月26日、入籍した。相手はミュージシャンの喜多嶋修。内藤20歳、喜多嶋22歳の時である。
翌27日夜、東京・西新橋の料理店で両家の親族が集まり、ささやかなパーティーが開かれた。題して「ヨーロッパへ行く喜多嶋修・内藤洋子の歓送会、あわせて修の卒業祝い」。喜多嶋は同月、慶応大商学部を卒業したばかり。2人は結婚後、英国に渡り永住する決意だった。
小学生の時から雑誌「りぼん」のモデルを務めていた内藤は東宝と専属契約し、65年、黒沢明監督の「赤ひげ」で銀幕デビュー。66年にはテレビドラマ「氷点」のヒロインを演じ、高視聴率を記録。翌年、リリースしたシングル曲「白馬のルンナ」が大ヒットし、トップアイドルの地位を不動のものとした。
「プライベートな時間がまったくなくなり、内藤は不安を感じだした。このままでは自分が欠陥人間になってしまうのではないかと思い悩むんです」(元女性誌記者)